初投稿です。よろしくです。

「ふーん。三年三組ね。」
中学三年の春。下駄箱に張ってあるクラスの名簿表を見つけ、俺はそう呟いた。
俺の通っていた中学校は市内でも有数なマンモス校で、一学年だけでも
8~9クラスほどあった。同じ学年でも見たこと無いようなやつが稀にいる。
特筆する点はそれくらいで、ヤンキーもいれば優等生もいたし、何の変哲も無い
普通の公立中学校だった。
名簿表には、同じ部活でいつも馬鹿をやっている植松拓と吉田栄治の名が記されてあった。
一,二年とクラス割では不遇を味わっていただけに、俺はそれが嬉しかった。
早速教室に入る。タクとエイジはもう教室に着いていて、机を並べて談笑していた。
そこに見知らぬ女が一人加わって話している。えーと…あいつは去年七組の…


「おう!ケイタ(俺)!おめーも三組だってなー。まったく余計なヤツと
クラス一緒になったなぁ、タク?」
教室に入るやいなや、いきなり悪態をつくエイジ。こいつとはいつもこんな
感じだった気がする。
「全くだ。」とタク。
「まぁそういうなよ、仲良くしよーや。で、その子は…?」
「あーこちら元7のヒロコちゃん。お前知らなかったっけ?まぁよろしくしたげて。」
そうだった。こいつは、岩田宏子。
背は小さく、肌は浅黒い。
中学生のくせに髪は茶髪で、女にしては割と短く切りそろえてある。
部活はバスケをやっていて、天真爛漫,天衣無縫という言葉が似合う、元気娘。
自己主張が強く、そのせいか他人と反りが合わないことが多くあり、彼女に好意を
持つ人間もいれば、嫌う人間もいた。
正直言って、俺はこういうタイプの人間が苦手だった。

「あぁ、どうも。朝井ケイタです。よろしく。」
「えええええ!知ってるし!今更そんなよそよそしくしないでよ~!」
「あ、あぁ…」
そんなこんなで俺は、新しいクラスに馴染んでおく為に当たり障りの無い挨拶を繰り返し、
新学期一日目のホームルームを終えた。さぁ、部活だ。
「朝井ー!一緒にメシ食おうよー!」
ん?と思い、振り返ると宏子とツバサがいた。
ツバサ、坂井翼とは同じクラスにこそなったことはなかったが、どういう訳か仲のよかった。
顔もよく、後輩からもなかなか人気がある。部活はサッカー部。宏子とツバサは
小学校以来の腐れ縁だという。
それにしてもなんで俺をメシに誘ったんだか。
「ん?ああいいけど」

それにしても宏子はなかなかに胸がでかい。青いブラが透けて見える。
小さい身体して、出るところはちゃんと出てやがるんだな。
彼女の運動着姿を見るのは初めてではなかったが、こんな近距離で見るのは初めてだ。
例から漏れず、当時の俺の性の思考回路は猿同然だった。
「ねぇツバサきいてよ、私、伊織と同じクラスだったんだー!」
「へぇ、そりゃ良かったな同じ部活のヤツがいて。」
「うんっ、ほんとそうだよねー私嫌われ者だしさー、あはは」
・・・こいつ、自覚症状あるのか。
「ケイタ、お前、伊織の事知ってるっけ?」
「伊織って…倉田伊織の事?」
「そうそう。」
「んー、まぁ知ってる知らないで言えば知ってるけど、特に面識は無いかな。」
「随分興味なさそうに言うねーキミは。まぁ今度せっかくだし紹介してあげるね!」
「ん、ああ」

と、俺は適当にこの話を受け流し、さっさと部活に向かった。
今思えば、これが全ての始まりだった。
このときの俺は、倉田伊織の事を何とも思っていなかったし、倉田伊織の
俺に対する好意に微塵も気付いていなかった。
倉田伊織は、背は平均ほどで、華奢な身体をしていた。
鶏がらのように細かったわけではなかったが、か細く、どこか儚げな雰囲気を持っている。
肌は白にほんの少しだけ灰色を混ぜたような色をしていて、師走の空一面に覆う雪雲を
思わせた。顔は絶世の美女という訳ではないが、決して悪くはない。
肩甲骨の辺りまで伸びた黒のストレートヘアーは、毛先にシャギーがかかっていて、
とても似合っていた気がする。
男子の人気はそれほどでは無かったが、まぁいいじゃん、というのが猿どもの共通見解だった。

一見内向的にも見える彼女だが、性格は非常にフラットで誰とでも訳隔てなく接し、
頭もすこぶるよく、いわゆる学級委員タイプだ。
バスケは中学から始めたらしく、なかなか宏子のようにはいかないようであった。
とまぁ、以上が俺が倉田伊織と初めて話したとき受けた印象と彼女の事情だった気がする。
四月のある晴れた午後。生暖かい風が二人の間に吹いた。

GWも過ぎ、皆がそれぞれにクラスに馴染み始めたころ、俺は倉田伊織と隣の席になった。
班も同じだったので、何かと一緒に行動することも多くなり、
宏子の仲介もあってかそれなりに仲良くなっていた。
彼女の出身は佐賀だとか、二つ上の姉がいるとか、一年生の時は誰が好きだったとか、
色々と彼女について俺は知るようになった。
その内に自然と俺は彼女の笑顔を心に思い浮かべられるようになった。
しかし、伊織はよく笑う子だな。

「今日はトンカツ、かな?」
割烹着姿の伊織が、給食センターから送られてくる台車に片足をかけながら覗き込む。
今日は俺と伊織が台車運び係だ。
かがめた身体から、胸元がチラリと見える。
俺は思わず目が行ってしまいそうになったが、流石にこの至近距離で見つめるのは憚られた。
サイズの具合は分からなかったが、とりあえず水色だと確認できただけでも合格としよう。
(伊織は、ピンクのつぎに水色が好きらしい。)
「おい、あぶねーぞ倉田。そんなスピードだしたら」
「え?大丈夫だよ、これくら~い」
と言い、彼女は台車置き場へと姿を消す。と同時にガシャンと金属音が廊下中に響き渡る。

「いわんこっちゃない。」

「あーん…キャベツがぁ…」


――唐突と言ってしまえば唐突過ぎる話だが、俺はこの瞬間倉田伊織に恋をした。


人の心などに何に突き動かされるかなど分かった話ではない。

伊織はこぼれたキャベツに目をやりながら、ちょこんと女の子座りをしている。

乱れたスカートの裾から、細く白い足が力なく横たわり、すがるように、彼女は俺を

上目遣いで見上げてくる。…そんな目で見るなよ。

しかし、んー、参ったな。可愛すぎる。

俺はその様子をしばらく見ていたい衝動を抑え、すぐさまに箒をとりにいった。

廊下ではすでにちょっとした騒ぎになっている。

「倉田、先生が来る前に早いところ片付けちまおうぜ。」

「あっ、うん。」

この日の給食はトンカツの量に比べ、キャベツはほぼ0に等しかったが、

机をあわせて向き合いながら給食を食べる俺と伊織の間には、何か

芽生えたんじゃないかと俺は勝手に思った。

汗を拭う。

まだ5月も半ばだというのに、何なんだこの暑さは…。

グローブの中の湿った手の感覚が非常に不快だ。

俺達は来る、中学生活最後の夏季トーナメントに向け毎日練習を行っていた。

この時期はどの部活も三年生が最後の大会に向けて、全力で練習に打ち込んでいる。

俺も一応は、野球部のレギュラーとして、最後の大会はチームとして結果を残し、

個人でも活躍をしたかった。

「ふぅ…はぁ……」

水道水でさえ神がかっているほど美味く感じる。

「なぁ、ケイタ。また見てるぜ。しっかしお前も罪なヤツだな。」

「うっせーな。ほっとけよ。」

「また付き合っちゃえよ、別に興味なくなったわけじゃないんだろ?」

エイジはなじるように俺を攻める。

「いいんだよ、もう別れたんだから。」


ちらりと、俺は体育館のほう見やる。

一瞬、久保香月と目が合う。

香月はそれに気付くとすぐに体育館に戻ってしまった。

香月とは、今年の3月まで半年ほど付き合っていた。

一つ年下で、彼女の姉が俺と同じ学年にいる。

もう一人姉がいるようで、それについては良く分からないが、

その姉はヤンキーらしく、その影響を受けてか下の二人も、それらしい雰囲気を持っていた。

バレー部の割りに背が小さく、元々あまり練習に行ってなかったのとその容貌から、

部の中でも浮いた存在であったが、俺と別れてからは何故か真面目に練習に

打ち込んでいるらしい。

顔はちょうど菅野美穂を幼くしたような感じで、伊織と比べると肉付きのよい身体をしていた。


「ケイタ、いい方法がある。セフレだ!」

「猿か、お前は…。」

いや、猿は俺かもしれない。
この時すでに心は伊織に向かっていたにも関わらず、身体の欲求は香月で満たしていた。
これはエイジにもタクにも翼にも秘密のことで、俺と香月はダラダラと肉体関係を
持ち続けていた。
さきほどの遠距離目配せは、言うなればHしたいというサインで、俺が見返せば了解、となる。
練習を終え、俺は適当な理由をつけ、いつも一緒に帰る面子から離れ、香月の家へ向かった。

「いらっしゃい。」
Yシャツとスカート姿の香月が出迎えてくる。まだ着替えていないらしい。
「今日は、家に誰もいないのー、私はハブだね~。」
俺は適当に相槌をうち、二階の香月の部屋へ向かった。
窓から、オレンジ色の太陽が乱反射して、香月の頭からうなじ、総じて右半身を
おぼろげに照らす。
俺はもうすでに、勃起していた。
この頃の俺達は、行為の前にシャワーを浴びるなんて大人なことは興ざめだと思っていて、
ただ獣のように、互いの匂いを嗅ぎ合い、ただひたすらに互いの性器をなぶりあい、
こすりあい、避妊もせず、後先も無く求め合った。

ディープキスから、それは始まる。
くちゅくちゅと卑猥な音が、部屋中に広がった。
香月の舌は少し短く、柔らかい。
まるで蔦のように、絡めば絡むほど、複雑に絡み合い、抜け出せなくなりそうになる。
俺が唾液を彼女に流し込んでやると、彼女もそれに応じ俺に唾液を流し込んできた。
「んぅ…ふぅ、ケイタ、エッチ…」
香月はもうすっかり火照ってしまったようで、頬が赤らんでいる。
当たり前の話だが、まだ14歳の香月の表情にはあどけなさが残っている。
そして俺もきっとそうだ。俺達は子供でしか、ないのか?
「少し黙ってろ。」

俺は再び口付けすると、そのまま香月を床へ押し倒した。
「あぅ、ケイタ、早い、よぅ…あっ…。」
Yシャツの上から、まだ未完成な香月の胸を揉む。
香月の短く浅い呼吸の音が聞こえる。
俺にはテクニックなんてものはなくて、ただ激しくすることしか出来なかった。
というより、湧き上がる性欲に理性が追いついていなかった。
「ぁん…ひあぁっ!ぅぅ……」
Yシャツの上からブラをずらし、小刻みに乳首を弾いてやると、香月はより一層大きく喘ぎ、
身体をくねらせた。
「香月…感じてるの?もう、こんなに固くなってる。」
俺は耳元でささやくように言う。舌で耳を舐めてやる。
「ぅん、ぅん…もぅ…こんな…はぁ、ぁん、あぅ…」

香月は右手を自らの股間に入れ、数度性器に触れた後で、再び手を取り出し
俺の目の前で見せた。
透明な液体が、中指と親指の間で糸を引いている。
その手の下で、何故か香月は得意げそうにニヤニヤしていた。
「へへ…ほら、もうこんなになっちゃった…」
「…もう、欲しいのか?」
「うん…。」
「手マンもしてないよ?」
「いいの。」
これは香月独特の癖で、欲しくなると必ず自らまさぐりはじめる
時には、そのまま自慰を始めることもあった。
その様子を俺は、香月が絶頂を迎えるまで眺めていたこともある。

俺は香月の言うとおりスカートをたくしあげ、中に履いている体育用半パンと
パンツを両方とも下ろした。
こうやって見ると、香月はもう十分に大人のように見える。
生え揃った陰毛を、俺はまじまじ眺める。
制服の間から見える、乳房,陰毛。そして性器。
この何ともいえないアンバランスさが、また俺のペニスをどうしようもなく熱くする。
「恥ずかしいよぅ、ね、ケイタも脱いで…。」
香月は俺のベルトに手をかけ、慣れた手つきで、俺のズボン,パンツを下ろした。
ギチギチに固くなった性欲の塊が姿を現す。
「おっきいね。相変わらず。」
俺は何も言わずに、香月の局部にペニスをあてがった。
あてがったまま、こするようにして上下に動かす。

「はぁぅ、ん…なんか変な感じ…あ、あ」
「うん、もうたっぷり濡れたな。」
「ぅう…はや、く、きて…はぁぁぅあっ」
俺はこくりと頷くと、腰をゆっくりと落とし、香月の中へ突き進む。
何かひだのようなものが俺のペニスに吸い付くのが分かる。
入れると包み込み、抜こうとすると撫でるようにして亀頭を刺激する。
全くをもって、まんこというものはよく出来ている。
「はぁっ、はぁ、はっケイ、タぁ…あぁぅ…ぅぅ」
「……香月、気持ちいいか?」
「あっあ、ああうんっ、きも、っちぃぃ…」
俺の我慢汁と香月の愛液が混ざり合い白濁した液体が、性器と性器の隙間から漏れ出す。
女性器独特の蒸れた匂いが鼻をつく。俺はたまらなくこの匂いが好きだった。

左手でYシャツのボタンをはずし、胸をはだけさせると再びブラをずらし乳首を弄ぶ。
更に声を荒げ、喘ぎ続ける香月。
最早、その身体は彼女自身のものではなく、香月に出来ることと言えば、
溢れ出る莫大な欲求と快楽の波にただただ身を委ねるだけだった。
混ざり合った白濁液でたっぷりと右手の中指を湿らせると、俺はそれを何度何度も
香月の服いっぱいに塗りたくってやった。
「あぁ、ぁん…やめてぇ…よ…ぁぅ…いやぁ、、」
「香月の服から変な匂いするね、どうしたの?」
「やっ、やぁ…やだ…」
「やめて」が、「もっとして」のポーズだと言うこと位俺にもわかる。
俺は指先を何度も湿らせて、これでもかと言うほど香月に塗りたくってやった。
時折、クリトリスを触ってやると、弓なりに身体をそらせて大きく喘いだ。

服だけでなく、身体中に塗りつくした頃、そろそろ俺も危うくなり始めた。自然と声が漏れる。
「はっ、はぁっ…香月、俺、そろそろやばい…」
「ぅぅ、っぅん…っあぁ、おなかに出してぇっ…ひぁ、ぁ」
「うん、分かったよ、香月ぃ……やばい、もうイク!」
即座にペニスを抜き出すと、香月がそれを手コキの要領で刺激する。
勢いよく精子は、香月の腹に射出された。香月の綺麗なへそに、白濁液が溜まる。
「たっくさん、でたね…。」
「ん…?あぁ。」
…それから俺達は他愛も無い話をした後、少しだけ抱き合って、俺は家路に着いた。
もうすっかり、外は暗い。セックスを終えてみると、俺の脳裏には伊織のことが浮かんだ。
何か、申し訳ない気持ちが生まれる。
俺はそんな煮え切らない気持ちを、路中の石にぶつけながら、しょうがないじゃないかと、
開き直ってみせた。
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