思い出を少々ドラマチックに語ってみた。
疑問点があったらその部分はネタだと思って、創作前提でお付き合い下さい。
ただ主人公がかっこつけたがりのアホなのは、あんまり責めないで欲しいのだ。


1---------------

幼稚園の時、ユーリ(仮)っていう女の子と仲が良かった。

ある日俺は幼稚園でうんこもらしてしまって、あまりの恥ずかしさに暴れてた。
そしたらユーリは「だいじょうぶ!わたしもしょっちゅうおねしょしてるよ」
と笑って励ましてくれた。
「でもおれはうんこ…」「だいじょうぶ!うんこのほうがすごい!」

どうにも意味不明なその言葉で、ものすごく安心したのを覚えている。

大好きだったが、俺は事情があって急きょ学区外の小学校に行くことになった。
ユーリとは幼稚園の卒園式でお別れとなった。

小学5年生の後半、俺はもともと行くはずだった、ユーリのいる小学校に転校した。
でもそのころにはユーリのことはすっかり忘れてた。
幼稚園時代の他の友達もほとんどわからんようになってた。

6年生になってクラス替え、しょっぱな隣の席になったのがユーリだった。
最初俺はユーリだってわからなかった。
幼稚園では愛称で呼んでたし、名札を見ても漢字だから思い出せなかった。

ユーリは素材はすごくかわいい。
でもやせこけて何か野暮ったい、着てる服も貧乏くさい感じになってた。
それでも、かわいかったので普通に話しかけてみたら、楽しくて初対面な気がしない。

「寝ぐせ付いてる、頭洗えー」とか初対面なら失礼なことも、遠慮なく話してたら
「ベンジーだよね?また会えた、よかった!」って突然言われた。
そこで初めてユーリだって思い出して、うれしくなって意気投合、すぐ仲良くなった。
(ベンジーはあだ名。外人ではない)

幼稚園のころのおねしょの話をしたら、一瞬ユーリの表情が青ざめたんだが…。
あれで救われたってことを話したら、とてもうれしそうにニッコリ照れ笑いしてくれた。

幼稚園では男女意識がなかったと思うので、この時が俺の初恋だと思われる。
ユーリが俺のことをどう思ってるかは知らない。
ただとにかく人生バラ色~とか思って浮かれてた。

ユーリは、ぐっさん(仮)っていう女子と大体いつも一緒にいた。
見た目はゴリラだが、時折シュールなゴリラダンスを発動する愉快なやつだった。
見た目はゴリラだが、ユーリの友達なので自動的に俺も友達になった。

(水川あさみとエネゴリ君でイメージしていただいても良かろうと思う)

ところがしばらくして、この2人がどうも軽くだがいじめられてることを知る。
2人は「しょんべんゴリラ」的なコンビ名で陰で呼ばれてて、仲間外れにされてた。

何でいじめられるかって言うとユーリは小3のとき、まだ少しおねしょ癖があった。
それが何かのきっかけでばれた。
おねしょした日もしなかった日も、におってなくても、くさいくさいとバカにされたのだ。
その内おねしょはすっかり治った。
なのに6年生になっても、それを引き合いに出されてはじかれるのだ。
ぐっさんはぐっさんで、見た目がゴリラだから、雌ゴリラ扱いされてた。

俺は他の友達に
「Heyベンジー!何でしょんべんゴリラとつるんでんだい、お前もクサイぜえ」
とか言われるようになった。

まずい、これでは俺もいじめの標的になってしまう。
しょんべんゴリラとは縁を切るべきか。
だがユーリのことはかわいくて好きだし、ぐっさんは愉快なゴリラだ。

俺は昔ユーリのおねしょ話で、子供ながらにだが、救われた気持ちになった。
それはユーリにとっても救いになったんじゃないかと思う。
そう思うと、俺にまで冷たくされたらユーリがかわいそうだ。

俺は優柔不断な子供だった。
しょんべんゴリラと生きていくべきか、他の友達をとるか、決断できる力がない。
どっちともうまくやってく社交性も、俺にはなかった。

その結果ひとりぼっちになりかけてしまった。


2---------------

そんなある日ぐっさんが話があると言って、放課後の教室で俺を呼びとめた。
たまたまか、ユーリは一緒じゃなかった。

ぐっさん「うほ、ベンジーさいきん元気ないな、ユーリも心配してるのだ」

ぐっさん「わたし達と遊んでたら友達に嫌われるんだな。無理しなくていいウホ。
ずっとユーリと2人でいたから、ベンジーと仲良くできて楽しかったのだ。
もうわたし達のこと無視していいウホ、今まで気ー使って仲良くしてもらってすまぬ」

というようなことを言われ、俺は悲しかった!
ただ楽しいからいっしょにいたのに!
俺が偽善で、友達を演じていたとでも言うのかいMonkey。
いや、ぐっさんがそんなことを言うのは俺のためなのだ。
俺が孤立しかけてた理由もわかってるのだ。
そう思えば、ぐっさんの優しさも身にしみてくる。

俺「気ー使ってないよ。仲良くしてたのは、俺が好きでやってただけだから」

ぐっさん「ウホ?」

俺「だからー、俺の勝手だ、好きでやってんだから!」

ぐっさん「ウホ、それってどどどどっちWho?」

俺「え?」

仲良くしたいから仲良くしてただけ、と言いたかったんだが。
俺が、ユーリとぐっさんのどっちかを好きで、それで仲良くしてたって思ってるのか。
どうもそうらしい!
うん、しまった、その通りだから、違う違うとは言えないじゃないか。

ぐっさんは「好きなのはぐっさんとユーリどっち?」という意味で質問している。
ユーリを好きなのがばれるだけでも恥ずかしいのに。なぜ2択になってる。
どうする、どうする!ぐっさんのやつ何でもじもじしてんのだろう。

思わず「どっちがとかじゃない」と答えてしまった。

ぐっさん「どっちもか?」

優柔不断な俺「うむむ、(女の子として)ユーリも、(友達として)ぐっさんも」

するとぐっさんの顔が、わかりやすいくらいニヤけて赤くなった。
何やらウホウホ言って、踊りながら帰っていった。
何をウホウホ言ってたのかわからない、覚えてない。

次の日、しょんべんゴリラは2人でひそひそと話をしたあと、俺のとこに来た。

ニヤニヤしながらぐっさんが言った。
ぐっさん「ユーリもベンジーLoveだそうだ、ウッホ!」

俺「何だとう!」

ぐっさんのななめ後ろで、ユーリがもじもじしてる。
ユーリ「最近ちょっと元気なかったね、でもまたベンジーと遊べたらいいな、どぅふふ」

当時笑い声になぜか品がなかったユーリだが、照れ照れでかわいいぜ!
(※デブ笑いではない。ユーリはやせてた。むしろもやしっこ?おしっこもやしっこ)

両思いだ、ヤッホー!と思ったが、まだ話は終わってなかった。

ユーリ「どぅふ!でもぐっさんもベンジーのこと好きなんだよね!」

ぐっさん「やだなもうユーリ!ウホウホ」

ユーリ「ライバルだねえ、わたし達ライバルだねえ、どぅふふ」

照れるユーリと踊るぐっさん、どうなのこの空気。
11歳の初恋にして三角関係に巻き込まれるとは!
もとはぐっさんの勘違いと言いたいとこだが…、いや間違いではない。
俺のあいまいな態度が原因である。

しょんべんゴリラにとっては、恋愛の盛り上がりという感じじゃなかったと思う。
お互いに共通項ができたことと、また俺と仲良くできそうなこと。
それが単純にうれしかったんだと思う。
小学生同士でめんどくさい恋愛ドラマになるわけはない。はず。

そんなわけで、いっとき距離を置きかけた2人と、また話すようになった。
三角関係にしばらく悩んだが、2人がのん気にしてるので俺も気にしないようにした。

でも少しずつ、気にしないではいられない、思春期ってやつが近づいてくるのだ。

ある日ユーリとのあいだに、大きな共通の秘密ができた。


3---------------

その日はぐっさんが学校休んでて、俺はユーリと2人で放課後の教室で話をしてた。
2人きりだったから、当番仕事か何かのあとだったと思う。

ユーリは悩んでいた。
しょんべんゴリラへのいじめは仲間外れと陰口程度で、騒ぎになったことはない。
修羅場話に発展できるほどの重さはないが、それでも当事者にとっては軽くはない。

ユーリ「しっこ女言われるのに、ベンジーは私がいやじゃないの」

俺「いやも何も、ユーリがおねしょしたおかげで俺元気いっぱい」

そんな台詞だったかどうかは忘れた。
でもあらためて、幼稚園でのユーリの言葉がうれしかったことを、言いたかったのだ。
ユーリはホッとしたような、でもちょっと悲しそうな、そんな顔をしたから言ってやった。

俺「男ってほんとはみんな、女子のしっこが気になってるから、あれこれ言うのだ。
何でちんこじゃねーの、みたいな」

ユーリ「うわあ、何かすけべじゃんか!どぅふ」

そのころの俺たちにとって「すけべ」という言葉の意味は、大人のそれとは少し違う。
ただ単に、ちんこ、おっぱい、お尻、などに対するまくら言葉みたいなものだった。
思春期の、性欲が確立しそうな悶々としたあの感じの、一歩手前にある感じ。

いちいちしゃがんでするの、めんどくさくない?とかいう話をしてたらユーリが言った。

「体がそういうふうになってるんだから、しょうがないじゃんか。見ればわかるよ」

うわあ、見てみたいぜ!
でも見せたいという意味なのか、会話の流れで出てしまった言葉なのかわからない。
俺は困惑したが、見たいと言ったら見せてくれるんだろうか!
精通もまだだった子供の俺だが、エロい感情ももちろんある。
でもそれより、単純な好奇心で頭がいっぱいになった。

俺「しっこ出るとこ見ていい?」

ユーリは少し悩むそぶりを見せたが「ベンジーだからいいけど内緒だよ、それと…、」
俺のも同時に見せるってことで話がついた!
きっとユーリも、未熟な大人羞恥心より、旺盛な子供好奇心が上回ったに違いない。

校舎の外れの男子トイレで、俺は小便器からいつもより一歩下がっておしっこをする。
ユーリもズボンとパンツを下ろした!どきどき。
そして、床の排水孔におしっこを直接照射可能、と思われる位置にしゃがむユーリ。

女子が男子トイレにいるということと、しかも床に直接おしっこするということ。
エロいどきどきよりも、そんなルール違反にヒヤヒヤしてる感じもあった。

でもとにかく、好きな女の子とおしっこ見せっこ!
単純にワクワクしてしょうがないのは、羞恥心が未熟だから。
…未熟だけどって言うべきか。

俺と同じくユーリも、何だか楽しそうだったが、そわそわして不安そうにも見えた。
大きな目でちんこを眺めながら、複雑な表情で、リアクションに困ってるように見えた。
ちんこからおしっこが出始めたのを見て「男っていいよね便利だね」ってつぶやいた。

「あ、私も出るう、…ん」
俺より数秒遅れてユーリのおしっこが出てきた。
音は聞こえたが、見下ろす位置関係の俺からは、肝心なところが見えない!
それに気付いたユーリが、見えるように体勢をどうにかできないかと、動き始めた。
まだおしっこは出てる。
下半身すっぽんぽんならM字開脚でもしたんだろうか。
でもズボンが完全に脱げてないからそうもいかない。

俺におしっこを見せようとがんばるユーリ、間抜けだけど健気でかわいいのだ!
そして後ろに体重をかけてしまって、
「うわあ」ユーリは思わず尻もちをついてしまった!

まだおしっこは出てる。
しかもズボンにかかりそうになったので、両足を抱え上げようとしてる。
腰まで床につくかっこになった!

俺は出し終えたが、あわてるユーリを手伝うため急いで、ちんこもしまわず駆け寄る。
ユーリの両足を持って支えてやったら、ユーリは完全に仰向けになった。
まだおしっこは出てる。

うんこした赤ちゃんがお尻を拭いてもらうような感じになった。
丸見えだ!まんこも尻の穴も丸見えだった。
肉が切れてる?しっこ出てる!言葉だけが頭をぐるぐる回る。

ちんこ丸出し、まんこ丸出し、ユーリの足を持って向かい合ってる俺。
思えばこれは挿入直前のポーズだ。
そんな知識はほとんどないんだが、なぜかうずうずした。
ちんこが熱くなるのを感じたが、まだぼっきには至らなかった。
においは、やっぱりおしっこくせえ、としか思わなかった。

ユーリ「これやだ恥ずかしいっい!んっん…んひ!」
緊張のせいか、ユーリがしゃっくりした。
ユーリも、知らないなりに何か、交尾で雄を受け入れる雌の本能を感じたんだろうか。

ユーリのおしっこは、最後は途切れながら、軽く噴き出してやっと出終わった。
ぴょろり!ぴょろ!って感じ。
今さら恥ずかしがるユーリの、口をぱくぱくしてた真っ赤な表情が忘れられない。
唇の動きがまんこに似てるような気がした。

俺はそこでようやくぼっきした。
まんこよりも、おしっこよりも、ユーリの表情でぼっきしたことに気付いた。
かわいいから?エロいから?わけがわからない感情が押し寄せてくる。

すけべなこと、いけないことをしたんだ!
そんなこと最初からわかってたが、リアルな実感として意識したら、心にずーんとくる。
ユーリも同じだったと思う。

ぼっきしたちんこは、すぐパンツにしまったから、ユーリには気付かれてない(はず)。
帰り道、2人はほぼ無言だったが、今日のことはぐっさんには内緒、とだけ約束した。

何だか怖くなって、2人の時でもこの話はしなくなった。

その怖さというか、胸騒ぎは、今でもときどき思い出す。
子供から大人になる覚悟を迫られた、漠然とした緊張感だったんだと思う。


4---------------

その日のあとからはまた、ぐっさん含めて仲のいい関係に戻った。

でもユーリと2人になると、トイレでのことを思い出して、気まずくなる。
2人の距離がぐーっと近づいたはずなのに、むしろ何も話せなかった。
ぐっさんと3人でいるのは相変わらず楽しかった。

ユーリとのあいだに秘密ができたこと以外は、表面上は何も変わらなかった。

しょんべんゴリラと一緒にいると、他の友達に疎外される!
そんな不安は、あまり考える余裕がなかった。
というのも、しばらくして精通がやってきたからだ!夢精だった。
すけべな夢を見たりしてちんこからドロドロが出る、という予備知識はあった。
だから、ついに来たかという感じで、割と落ち着いていたし、親にも普通に白状した。

落ち着いていられなくなったのは、その朝見た夢を、あとになって思い出した時だ。

…はっきりとは覚えてないが、俺は夢の中でユーリを追いかけてた。
エロ気分だが、具体的なエロ行為は知らない。
ただとにかく抱きつきたい、ちゅーしたい裸見たいって思って、ユーリを追いかけた。
追いついたら、そこは学校のトイレ、多分あの見せっこしたトイレだと思う。
ああ、あの日の胸を突き上げるような、もやもやした感じ。
ときめきとも罪悪感ともとれる、うれしいような苦いような感情がよみがえる。
下半身裸で仰向けで、足をジタバタさせているのは、あの時のユーリ…、

じゃなかった!あ、何だぐっさんじゃないか。

…え?

そこまでしか覚えてない。起きたらパンツが濡れてたのだ。

ああ、ぐっさん!夢にぐっさんが出てきたぞ!

おしっこ体験の主役ユーリを差し置いて、何でぐっさんが。
ぐっさんの夢を見たら初めて夢精したという事実は、ひたすら俺を動揺させた。
主演女優はユーリだったが、クライマックスでぐっさんが主役を食った、その衝撃。
大どんでん返しのどんな映画を見ても、この時の戦慄にはかなわない。

動揺しながらも学校では、精一杯今までどおりの俺を装った。
でもその日から、ぐっさんを女として意識してしまう毎日が続くのだった。
ゴリラなのに、あいつゴリラなのに!

一方で、ユーリのことも好きだったし、て言うかあくまで「好き」なのはユーリのほうだ。
ユーリが好きなのに、ぐっさんにどきどきする、っていう自分がよくわからなかった。

精通後も、小学生の間は、俺はほとんどオナニーしなかった。
ちんこいじる行為に何となく抵抗あったから、射精はほとんど夢精だった。
夢精のときに見た夢を覚えてる場合は、ぐっさんとユーリの共演がほとんどだったよ。
でも主演はぐっさんが多かったの。

ちんことまんこを見せ合ったユーリをよそに、俺の中で、エロ面で台頭してきた女。
ぐっさん…。


5---------------

そして、本格的にオナニーを覚えると同時に、俺は中学生になった。

ぐっさんは相変わらずゴリラだ。
ぶっちゃけて言うとブスだ。
声は低いしひげが生えてるし、スタイルもドンドコドンだ。
女としての魅力をあげろと言われれば、比較的おっぱいの成長が早いことくらいだ。
あと色も白い。

色の白いは七難隠す、ということわざがある。
でもぐっさんは、女としては百難くらいありそうだから意味がない。
むしろ色の白さが百難を際立たせている。
ああもちろん、外見的には魅力に欠けるということを、大げさに言いたいだけだ。
俺にとってはおもしろくて好きだし大事な友達だ。

そして俺はそんな女をおかずにすることもあった。
俺はぐっさんに惚れてしまったんだろうか。

一方ユーリは、いつの間にかほっそり美人SlenderBeautyへの道を歩き始めていた。
私服から制服になったら不思議と野暮ったさが減った。私服が貧乏くさかったからか。
部活のために切った髪も似合ってて清潔感アップ!
どぅふどぅふ、という変な笑い方もしなくなった(個性的で俺は好きな笑い方だったが)。

他の小学校から来た子たちとも、まあまあ話せるようになってた。
もともと深刻ってほどじゃなかったいじめは、すっかりなくなってた。

○○小学校から来たユーリって結構かわいくね?みたいな男子の噂も…
あったかも知れない。
引っ込み思案だから目立たないが、少なくともかわいいほうの女子に分類されてた。
俺にとっては一番かわいい。一度まんこも見たし!

まああくまで地方レベルだから大げさな美少女を想像しないでね。

中身は2人とも変わらない。
相変わらずぐっさんは変てこだし、ユーリは気が利くやつだった。
そしてうれしくも困ったことに、2人とも俺にべったりだった。
小学校から仲いいってだけの俺が、両手に花とバナナって状態が続いてた。

男女間の交流に否応なしにエロさが忍び寄る、中学生っていう年代である。
もうセックスのやり方も知識だけは何となくある。
エロいことすればちんこから精子が飛び出るし、まんこは濡れるってことも聞いてる。
なのに2人はラブコメ漫画みたく俺の両手をひっぱって、「私のー!」「だめ、私のだ」
俺の取り合いを演じてふざけて、3人で結構スキンシップもしてた。
そんな時俺はいつもぼっきしてた。

ユーリはどんな気持ちだったんだろう。
あの日のおしっこ見せっこは、俺の定番のオナニーのおかずになってるのに。
でも、その俺でも罪悪感みたいのはあった。
ユーリにとっては、何もなかったことにしたいのかなと思った。

2人は俺を本気で奪い合うつもりはないように見えた。
俺が困ってる様子を見て、楽しんでただけだと思う。
俺がどっちかを選ばないとダメ!みたいな空気にはならなかった。
間に挟まれて勝手に悩んだりしたのは、俺だけだった気がする。

俺はまだまだ背が低かったから、姉妹が幼い弟を取り合ってじゃれてるような感じか。
そのころはそんな感覚だったのかな、と今は思う。

さすがにしばらくすると、子供みたいにどこでもべったりな空気はなくなっていった。
人間って不思議だ。
性欲が育ってくのに比例して、それを抑えなきゃって思う気持ちも強くなる。
3人でいるときにも、そんな大人の男女の心模様を感じるようになってきた。

それでも中学生のあいだは普通に仲良く、恋人未満の友達として3年間を過ごした。

2人とも一応ほかにも友達はいた。
特にユーリは同じ部活の一部の男子からチヤホヤされてた。
告白されるってのはなかったと思うが。
軽いノリで男子から、バレンタインチョコくれくれー言われるのはめずらしくなかった。
そしてユーリはそれを全部ことわった。
俺だけにチョコをくれた。ぐっさんも俺だけにチョコくれた。

どっちか1人とだけ特別に仲良くするということはなかった。
だからどっちかと付き合ってるとかは言われない。
ユーリを一人占めしやがってこのやろーとかユーリファン(?)に責められずに済んだ。
ちょっとは冷やかされたが。

ユーリは成績はよかったが、家が貧乏なので大学進学は考えてなかった。
就職を見越して実業系の高校に行った。
俺とぐっさんは普通の頭で行ける普通高校に行った。


6---------------

中学の卒業式の後、俺の家に集まった。
俺としょんべんゴリラと、トミー(仮。外人ではない)っていう男友達の4人。
ユーリは、俺とぐっさんとお別れだからと、卒業式の時からぼろ泣きだった。
会えなくなるわけではない。

トミーは俺としょんべんゴリラの関係を、何となく見守ってたやつである。
こんなことを質問してきた。

トミー「学校が別になったらどうすんの。ベンジーはぐっさんと付き合うのかね」

俺は「そうだよ」と即答した。

俺がそう思ってたことはしょんべんゴリラは知らない。
今初めて言ったから、びっくりしてた。
中学の3年間で、ユーリは女らしくなったし、ぐっさんは人間に近付いた。
姉弟みたいな空気から、ほんとの恋愛感情に変わってきてるのは気づいてた。
だから、どっちも好きだけどそろそろ、区切りをつけないとって思ったのだ。

ぐっさんを選んだのは、俺以外の男に相手にされるわけないし、カワイソウだから。
そんな失礼千万な同情からなんだが、密かにおかずにもしてるし好きなのは事実だ。
偽善者意識はこのときはなかった。
ユーリは泣いてたが「ユーリはもてるからすぐ彼氏できるよ大丈夫」ってなぐさめた。
もちろん俺は、ユーリも好きだから複雑ではあるけど、この時点では深く考えてない。

ぐっさんは喜んでくれたが、ユーリの気持ちを思ってか複雑な面持ちだった。

ユーリはまだ納得いかないみたい。
俺とユーリは、おしっこ見せっこっていう秘密の体験を共有してる。
だからユーリは、ぐっさんを一歩リードしてるつもりだったのかもしれない。
もちろん俺にとっても大きな体験だったし、しょっちゅう思い出してオナニーもしてた。
でも実は、ぐっさんで初めて夢精した時のほうが、衝撃は大きい。
だからぐっさんを選んだ、っていうことではないのだが。

俺「ごめん、ユーリも好きだけど、両方ってわけにはいかないのだ」

ユーリ「それでも!私は最初の彼氏はベンジーがいい!」

今さらだが、こんな男の何が良くてそこまで言うのかわからん。
そういう俺も、ぐっさんの、女としての何が良くて好きなのか、よくわからないんだが。
ユーリは泣きながら抱きついてきた。

ユーリ「ぐっさんごめん~、今日だけベンジーの彼女させて」

ぐっさん「ウホ?」

そしてユーリが俺の顔をつかんで、唇を近づけてきた!

ユーリ「ファーストキスもベンジーとがいいよ!んっ…ん」

奪われた格好になった!俺にとってもファーストキスだった。
大胆な行動に、そばで見てるぐっさんとトミーは固まってる。
俺も固まってるし、ちんこも固まった。

ユーリ「2回目も3回目もベンジーがいいよう…んん、ん」

って感じで、ちゅ、ちゅ、ってされた。
4回目でユーリの舌がにょろりと入ってきて、頭の中がふにゃーってなってきた…、
…そこでユーリはぐっさんにひっぱられて、ようやく俺の体から離れた。

ぐっさん「ウホ」

ユーリ「ごめん…」

ぐっさんは怒ってるそぶりは見せなかったが、内心はわからない。
俺の手をぐいっと引っ張って、ユーリから離れたとこに座って言った。

ぐっさん「わかったのだ。ユーリに彼氏ができるまでは、私ベンジーと付き合わない。
でもユーリずるいな!私もベンジーとちゅーするウホ」

ぶ厚い唇でちゅうされた。
ユーリに対抗するようにちゅちゅちゅ、って何回もして、同じように舌を入れてきた。
そしてまた同じように、ユーリに引っ張られて中断した。

トミーはずっと脇役だったんだが、ここで発言。

トミー「俺がユーリの彼氏になれば万事解決じゃね?」

何が解決なのかよくわからないが、この状況にトミーも少々興奮していたようである。
※あとで知ったがトミーは前からユーリに少し気があった。
俺と特別親しくはないのにこの場にいたのは、それが理由だった。あのやろう。
※しかもユーリがちゅうしてるとき、パンツが見えていたようである。あのやろう。
まあ俺はまんこまで見たからいいけど!あの時は、エロ意識が発達してなかった。
つくづく悔やまれる。

トミー「いいじゃん?なー、ユーリ、俺、俺と付き合」

ユーリ「でもトミーは、ぐっさんは好きじゃないでしょ」

よしお「え、でもそんなの関係ねぇ…」

ユーリ「どっちも好きって言ってくれるベンジーが好きなのー!」

トミーはあっさりふられた。
普通なら嫌われるはずの二股男がユーリは好きらしい。
て言うかトミーをふる口実か。
いや、よほどぐっさんと固い友情で結ばれているんだろう。
これにはぐっさんも感激したようで「やっぱ今まで通りがいいウホ」

どうやら俺は、2人を彼女にするか、どちらとも付き合わないしかないようであった。
何だか女の怖さと子供っぽさを知ったような気がした。

でも、ユーリが他の男と付き合う気がない、ということに、安心してもいた。
そんな自分の優柔不断さもあらためて感じてた。


7---------------

そんなこんなで高校生になった。
ぐっさんは今まで通りの関係がいいと言った。
でも学校にユーリがいないから、今まで通りなわけない。
自然に今までより親密になって、毎日のように一緒に帰る。
そして毎日のように帰り道でちゅうした。

1ヵ月くらいして、俺の家でぐっさんと初めてセックスした。極めて自然に!
(ぐっさんとのエロ描写は自粛しろと言われたので、詳細は書かない)

それからは堰を切ったように、結構な頻度で日々やりまくった。
大体ユーリが部活をがんばってる時間帯、もちろんユーリには内緒。

俺の家はいつも夜まで誰もいないから、体力があるときは2、3回続けてやった。
ぐっさんはゴリラのように野生の咆哮を轟かせて、あえぎまくった。
そのくせ終わると人間に戻って、ユーリに申し訳ないと言って泣いた。

ユーリとは何回か3人で会ったけど、普通の雑談ばかりしてた。
もっと3人で遊ぼう、なんて俺はいつも言ってたが、それは建前だ。
本音は、そんな暇があったらぐっさんとセックスしたかった。

ぐっさんは、ユーリに彼氏ができない限り俺と付き合わない、と宣言してある。
だから、ユーリを裏切ってるんだ、と自分を責めた。
でもセックスしてても、イコール付き合ってる、ってわけじゃないのだ。
そんな言い訳をひねり出して、とにかくセックスしてた。

高校生になって最初の夏休みが来た。
ユーリから、3人であそぼーと何回も誘われたが、会いたくない。
何かと理由をつけて断って、ほとんど毎日ぐっさんとセックスしてた。
サルみたいにやってた。ぐっさんはゴリラみたいだった。て言うかゴリラだった。

ユーリに会いたくないのは嫌いになったから、なんてことはあるわけなくて、罪悪感。
そして、ぐっさんとセックスしていたかったから。
ぐっさんとセックス→ユーリに悪いから会いづらい→ぐっさんと2人で会う→セックス。
そんな循環とも言えた。

でもユーリはしつこいくらいに誘ってくる。
さすがに断ってばかりというわけにもいかず、夏休みに一度だけ、3人で会った。
俺とぐっさんが、一昨日も2回セックスしたなんて、ユーリは知る由もない。
その日ユーリは、恥ずかしそうに、でも何だかニヤニヤしながら、こんなことを言った。

ユーリ「しょっちゅう誘ってくる部活の先輩がいて、断りにくいから、言っちゃったー。
○○高校に彼氏がいるって言っちゃったー!」

ぐっさん「うほ!ベンジーのことか?」

ユーリ「あはは、ごめん。でも話の中だけだからー」

そしたらぐっさんが、うっほうっほと踊るように泣きだした。
俺には泣いた理由がわかったが、とにかくユーリはびっくり。
ぐっさんが怒った、と思ったようである。
勝手にベンジーを彼氏扱いするなんて抜け駆けだ!と。

ユーリ「ごめん、ごめんてば。本気でベンジー取るつもりじゃなくて、話の中だけ」

ぐっさんは泣きやまない。
そしてユーリも泣きだして怒ってしまった。

ユーリ「何でえ?ぐっさんは学校でも毎日ベンジーに会えるのに、私はちがうもん!
これくらい別にいいじゃんかっ!」

ぐっさん「ちがう、ちがうほー」

なだめるように俺は、ぐっさんの背中をぽんぽんと優しく叩いてやる。
それを見て、ユーリは何となくピンときたみたい。
抜け駆けしたのはぐっさんのほうなのだと。

ユーリ「2人つつつ付き合うようになった、の?」

と聞かれたが、付き合ってはいない(つもり)。
ちがう、とぐっさんが答えた。
ユーリは少しホッとしたようだが「じゃあ何なの」
いろいろ追求されて、セックスしたことをついに話してしまった。

処女のユーリは突然の生々しい話に、かなり動揺したあと、ムキーッと怒った。
でも何とか理性を働かせようとがんばってた。

ユーリ「しょしょしょうがないか、いやー、でもちょっとヨクボーに流sれただけdしょ。
付き合ってなくても、男と女がいつも一緒にいたら、1回くらいは、」

俺「100回くらいしたかも」(数えてないけど多分)

ユーリの理性崩壊!かと思ったが、意外と淡々としてた。
「そそそうかー、うんうん、しょうがないねえ」

「じゃあまたね。あ、私部活やめたから。また遊ぼうね!」

ユーリは俺とぐっさんを置いて帰っていった。
最後は無理にニコニコしていたようだが、愛想つかされたのははっきりしてた。
また遊ぼうねの言葉と裏腹に、もう会うことはないだろうとはっきり悟った。
俺はぐっさんと生きていくことを決意するしかなかった。
だがぐっさんは、親友を失った悲しみに暮れているようだった。
そしてその日も結局セックスした。アホだ。

俺も心は痛んだが、前に一度、ぐっさんを選ぶって俺が決めたんだし。
ユーリに内緒でぐっさんとセックスしてたのは、もちろん良いこととは言えない。
でも責められることでもない、と思ってた。

それから夏休みの間、ぐっさんとは会わなかった。
お互い会う気にならなかった。
夏休みが明けても、ぐっさんは沈み込んでしまっていた。
心配だがしばらく放置するしかない。

俺は自分が悪いとは思っていなかったが、さすがに悩んだ。
ゴリラが野生の本能に負けて、人間の親友を裏切ってしまったのだ。

俺は踊らなくなったぐっさんを、どう慰めればいいのかわからなかった。


8---------------

9月のなかばのある日、学校から帰ると、家の近くにユーリがいた。
愛想尽かされたと思ってたし、もう会えないと思ってたからどっきりした。
でもやっぱりうれしい。
まだ早い時間だから、部活はほんとに辞めたのかも知れない。

ユーリ「ぐっさんは一緒じゃないんだ?」

俺「あれから学校以外では顔見てない」

ユーリ「…ほんとはどっかでえっちしてきたんでしょ」

俺「あれから話もしてない。あいつ落ち込んでる。ユーリはどうかしたの」

何となく話したかっただけ、というユーリを家に上げた。
俺の部屋でユーリと2人きりになるのは初めて。
ユーリは大好きなぐっさんと仲直りしたいんだと言った。

おねしょでいじめられてた小3のころ、気にせず仲良くしてくれたぐっさん。
ユーリにとって大事な友達なんだそうだ。
その話は、ユーリからは初めて聞いた。
俺がぐっさんからすでに聞いてる話は、その裏側のことだった。
当時のある日、ぐっさんは学校で少しちびった。
そのままおしっこで濡れたパンツで過ごしていたが、においでばれそうになった。

だが矛先はおねしょ癖のあるユーリに向けられた。
ちびり女と呼ばれずに済んだぐっさんだが、ユーリが自分のせいで虐げられている。
いたたまれなくなって、罪の意識もあって、友達になることを決意したのだった。
このことはユーリは知らないし、俺も口止めされてる。

まあそれはともかく、ユーリはぐっさんと仲直りしたい。

俺「ユーリが許してくれたらぐっさん踊って喜ぶよ、俺からも言っとく」

ユーリ「まだだめ、言わないで」

俺「なんで?」

ユーリ「ベンジーとぐっさんがくっ付いても、私が恨む筋合いないってわかってるから。
怒ってるとか許すとか、偉そうなこと言えない。
でも私もベンジー好きだもん!悔しい思いだけして、ただ譲るのは耐えられないよー」

ぐっさんとのセックスばかりで薄れかけていたが、俺だってそうだ。
ユーリへの気持ちが消えたわけじゃないのだ。
改めて好きだと力説されて、うれしくなってしまう。
そんな自分を罪深く感じつつ、ある欲望が生まれた!

ここしばらくぐっさんとセックスしてないから、俺は欲求不満だった。
そして今はユーリと2人きり。
ここで、ユーリにやらせろって迫ってみたら、やらせてくれるんじゃないか。
ぐっさんとだけやってゴメン、ユーリとも同じくらいやりたい、とか言ってみるか。

ユーリは俺のことが好きで、俺とぐっさんがセックスしたのを悔しいと思ってる。
だから当然ユーリも俺とやりたいはず!
高校生の性欲バリバリの、身勝手なことばかり考えてしまう俺だった。

そして、そんな身勝手でバカな俺の思ってた通りだから、始末に負えないのである。
ユーリが言った。

「仲直りはしたいけど、もうちょっとあとにする。だってぐっさんとだけってずるいもん!
仲直りの前に私もベンジーと、…!」

言い終わる前にユーリにちゅうした。何回もした。
ユーリがふにゃふにゃになった。ちんこはカチカチになった。
もう、すぐにでも入れたかった。
でもその前にユーリから話があった。

「夏休み、先輩(※以前からユーリを口説いてたという先輩)とホテル行った」

!!(ざわ…ざわ)

「私から誘った」

(ざわ…ざわざわ…)

俺は目の前が真っ暗になった。

『ユーリはもてるから、すぐ彼氏できるから大丈夫だよ~』
なんて半年前に慰めたのを思い出した。
それがうわべだけのものだったって、あらためて強く自覚した!
俺は一度ぐっさんを選んだはずなのに。
ユーリが他の男と、しかも俺以外には引っ込み思案なくせに、自分から誘って…
って考えたら耐えられないと思った。

その耐えられない事実を今から聞かされる。


9---------------

ユーリ「初めてはベンジーとが良かったよ!でも!」

俺とぐっさんの関係を知って、ユーリは自暴自棄になった。
デートのお誘い自体は先輩からだったが、突然ホテルに引っ張り込んだのはユーリ。

混乱と歓喜で理性が飛んだ先輩(童貞)は、我を忘れてユーリに覆いかぶさった。
気があせって慌ててる先輩はユーリのパンツだけを脱がせる!
そして濡れてないのにとにかく入れようとしてくる!

ユーリも覚悟してたものの、ちんこが入ってきたとき、あまりの痛さに悲鳴をあげた。

痛いのと、痛さと同時にやってきた強烈な後悔と自己嫌悪で、ユーリは暴れた。
暴れたら余計に痛くて、逃げたくて、先輩の顔や胸をバシバシ叩いた。
無我夢中で叩いたら先輩はやっと離れた。
ずぶりとひっこ抜けた先輩のちんこに、血が付いてるのが見えて、ユーリは泣いた。
茫然とした先輩は、ユーリがあわてて謝ったら一応許してくれた。
でもユーリは逃げるようにノーパンのままガニ股で帰ったのだった。

話してるあいだ、不思議とユーリに悲壮感はなかったけど、
ユーリ「こんな話、しないほうがよかったかな…」

確かに聞きたくなかった。
でも自分のアホさ加減を知るためには、聞くべき話だったのだと思った。
ユーリがつらい思いをしたのは俺のせいだと思った。
ほんとは、親友を裏切って俺に体を許した、ぐっさんのせいにしてしまいたかった。
ぐっさんを選んだ俺をあきらめてくれなかった、ユーリのせいにしてしまいたかった。

でも俺が優柔不断じゃなかったら、ユーリもぐっさんも悩まなくてよかったに違いない。

小学校からの慣れ合いに流されて、何となくここまで来てしまったのは俺のせいだ。
自分を真正面から批判する自分に、初めて出会った。

そのストレスのせいか突然、もーれつな下痢腹痛に襲われた!
もともと胃腸が弱いほう(軟便体質)であるが、こんな急な下痢痛は初めてだったの。
あぶら汗が浮いて、顔も青くなってたかも。
心配し始めたユーリにかまわず、俺はトイレに走った。

トイレの前までついてきたユーリに、もりもりバビバビってうんこ音を聞かれたと思う。
もちろん気にしてられなかったので、とにかく全部ケツから吐き出した。

出してしまえばすっきり。
でもさっきまで、セックスできる!と期待してぼっきしてたちんこに、元気がない。
うんこしたのが恥ずかしくて縮んでたのだ。
トイレから出たらユーリがそこにいた。
やっぱり音聞かれてた。

ユーリ「おなか大丈夫?勢いすごかったねえ、パンツ脱ぐの間に合った?」

わざと明るめに言ってくれたようだが、かえって恥ずかしいだけで、俺は落ち込んだ。
おしっこは見せ合ったのに。
あの日はうれしくもあったのに。
うんこってやつは!うんこってやつはどうして音だけで、こんなに恥ずかしいんだろう。
目を合わすことができなかった。
そしたらユーリが言った。

「大丈夫、私なんてしょっちゅううんこもらしてるよ!」

あれ?…あっ…!ユーリがニコニコ笑ってる。

この感じって。
ああっ…!!そうだ!

俺の前に、幼稚園で俺を元気づけてくれたユーリがいた!

このあったかい安心感はよく覚えてる。
昔うんこもらした俺を立ち直らせてくれた、ユーリだけが与えてくれるものだ。
高校生にもなってしょっちゅううんこもらすわけない、すぐに嘘だってわかる。
はああ、と、安心のため息と同時に涙が出てきた。

その場でユーリを抱きしめた。
ユーリも俺の背中に手をまわしてくれた。おっぱいが当たる!
早熟だったぐっさんに負けないくらい、いつの間にかユーリのおっぱいも育ってた。
それに気づいたら、情けないことにいっぺんにぼっきしてしまった。

ユーリにちゅうしようとしたら言われた。

ユーリ「ここくさい(笑)」

そうだ、トイレの前にいるのだ。俺のうんこのにおいだ。

ユーリ「ベンジーもくさい」

俺「ごめん」

ユーリ「お風呂入ってきたら。あ!お、おふろ入、はい、入っ…」

お風呂という言葉を出した途端、ユーリがどもり始めた。
恥ずかしいことを言いたいんだなと思った。
何を言いたいのかはすぐに直感した。

俺「いっしょに入ろ」

ユーリは黙ってコクンとうなずいた。


10---------------

風呂場で裸の俺とユーリ。

俺は、ぐっさんのドンドコドンな裸をバカにする気はない。
でも見慣れたぐっさんと比べると、やはりユーリの裸はきれいとしか言いようがない。
ただ、毛は似たようなもんだった。
ぐっさんのジャングルと対照的な、柔らかな草原を勝手にイメージしてたんだが。
ユーリのも手付かずのジャングルだった。

ユーリは素っ裸を男に見られるのは初めてなので、恥ずかしがってた。
でも隠すとかうずくまるとかじゃなくて、逆に、俺にしっかり抱きついてきた。
確かに裸をじろじろ見られなくて済むね。
初めてまんこを見られた小6の時、ユーリは恥じらいというものを覚えたはず。
それは15歳の今、ほんとにかわいい仕草に進化してた。

さっき制服越しに当たってたおっぱいが、今度は直接当たった!
乳首も!くにゅくにゅって。
いっぱいちゅーしたしおっぱいも揉んだ。

4年ぶりに俺のちんこを見たユーリの感想は「ここだけ色が濃くなってる!」
大きくなったねとか、むけたね、とかじゃなかった。
ぼっきは初めて見せたんだから、そもそも別物か。

お風呂っていってもシャワーを軽く浴びただけで、部屋に行った。
(お尻は念入りに洗った)

部屋ではもっとじっくりちんこを見せたし、軽くしゃぶってもらった。
ぐっさんの厚い唇とちがってユーリの口は、控えめにモチュモチュ動いててかわいい。
でも、ついぐっさんと比べてしまう自分が何だか嫌で、あまり考えないようにした。

ユーリもとまどいながらの実質初のセックスだから、ほんとは聞きたかったと思う。
ぐっさんとはどうやってたのか、とか。
でもユーリは何も言わなかったし、俺も言う気はない。
まんこ舐められたときも、ぐっさんも同じことされたかな、なんて考えたかもしれない。
しゃっくりしながらあえぐ声が、泣いてるようにも聞こえた。

これ以上ないほどぬるぬるになった、ユーリのまんこ。
いざちんこを入れようとした時、ユーリが言った。

ユーリ「何であの話(※先輩で処女喪失の話)したかって言うと」

「ベンジーが安心するかと思って」

「初めてはベンジーがよかったけど、後悔もしてるけど、結果的にそれでよかったよ。
あんなに痛いんだったら、痛いのだけ先に済ませられてよかったよ。
だから、痛いのから逃げようとしてベンジー殴ることないよ、だから安心して…、あっ!
あ、あ…っ!」

ずぶりずぶり。ありがとう。

ユーリの中はあったかかった。
ユーリの言葉が俺の気持ちをあったかくしてくれたのと同じくらい、あったかかった。
大好きだと思った。

ところが、少し腰を動かしたら、ユーリの表情が小さく歪んだ。

ユーリ「あれ?何だこれは…、いたたた、痛い痛い」

処女じゃなくなってからもしばらくは、挿入したら痛いこともあるんじゃないかと思う。
それがユーリにとっては予想外だった。
ぐっさんは、最初から痛がらなかったし、出血もちょっとだった。
でも何回目かまでは、少し違和感あるって言ってた。
だからユーリの反応にも俺はあわてなかったんだが、腰の動きを止めた。

ユーリ「まだ痛いもんなんだー、ごめん、大丈夫だと思ったのに」

俺「じゃあ俺ユーリに殴られる!」

ユーリ「あはは、殴らない!そのかわりちゅーする」

挿入したまま何回もちゅうした。ユーリがしゃっくりしたから歯が当たった。
挿入されたまま、ユーリは言った。
「ぐっさんと100回したんだったら、私とも100回してほしい」と。

ユーリ「そしたら全部プラマイゼロだから、元に戻れるよ」

元に戻って、また3人で仲良く過ごせるという意味なんだと思った。
でも俺はもう無理だと思った。
もうセックスを知ってしまった大人の男女なんだから(まだ15歳だけど)。
元に戻っても、また同じ悩みを繰り返すだけだと思った。

ユーリもそんなの分かってるはず。
だけど、俺とぐっさん、2人とも大事にしたい、と思ってるんだな。
そのためには、嘘でも元に戻ったつもりになれたらいいと、思ったのかもしれない。

でも俺はもう、ほんとに好きなのはユーリなんだって気付いたのだ。
ぐっさんとは友達の延長で、性欲に流されただけだって。
それに同情が加わっただけなんだって。
どっちみち、2人と平等に、男女として付き合い続けることはできない。

ぐっさんが他の男と付き合って幸せそうにしてる姿を想像してみた。
俺は素直に祝福して喜べると思った。
でもユーリは誰にも取られたくない。
俺だけがユーリを幸せにしたいと思った。

そう思うと同時に、そんなのただの醜い独占欲なんだって気付いた。
俺の思いはユーリのためなのか、自分のためのものなのか。
わからなくて頭がぐちゃぐちゃになった。

そんな大人ぶった青春の悩みの裏で、こんな都合のいいことも考えていた。
2人とうまく折り合いを付けることができるだろうか、そしたら…。
毎日代わる代わる2人とセックスできるかも!(3Pではない)

まあとにかく、今はこうして言葉で書いてるんだが。
この時はただ、漠然ともやもやしてるだけだったと思う。
ほんとはどうするべきなのか、すぐにわかるはずもなかった。

今はとにかく目の前のユーリが大好きで、ユーリとのセックスに集中しようと思った。

腰をゆっくり動かしてるうちに、ユーリも慣れてきて、痛がらなくなってきた。
違和感をがまんしてくれただけかもしれないが、声を出して感じてくれるようになった。
100回して、と言われたものの、その日は3回が限度だった。

俺「ごめん、100回は無理」

ユーリ「1日でじゃないよ!」

その日から、2日以上の日を空けることなく、ユーリは俺の家に来るようになった。
もちろんセックスするため。
生理の時とか、あまり時間がないときもあった。
そんなときは小さな口で、もちゅもちゅぴゅるる!ってイかせてくれた。

そしてユーリは、(挿入に限らず)射精させた回数をスケジュール帳でカウントしてた。
これが目標の100回になったとき、3人の関係がリセットできるとユーリは思ってる。

俺は俺で、いろいろ悩んで、考えてた。
リセットするなら、俺が2人と出会う前にリセットするべきだと。
2人を傷つけないためには、俺が完全に身を引いたほうがいいのさあ。
と、きざなことを本気で考えてた。

連日ユーリとセックスしながら、俺は2人との別れのことを思った。
ユーリはこう言った。
「3人仲直りできたら、ぐっさん次第だけど、両方とえっちすればいいじゃんか、ね?」

いっとき俺が身勝手に考えたことと同じ考えだった。(3Pではない)

でも、そうなったらうれしいが、それを考えるとお腹が痛くなるようになった。
実際ユーリとのセックスの前後に、下痢うんこすることが何回かあった。
そんな時ユーリは苦笑いして「いっしょにお風呂はいろ」と照れながら言ってくれた。

平均すると1日1回のセックス(射精)。
3ヶ月以上が過ぎて、目標の100回が近づいてきた。
ユーリはそれを区切りの儀式として、ぐっさんと仲直りしたい。

でもそれと裏腹に俺は心の中で、もう2人から離れようと決めた。


11---------------

あと2回で、目標のセックス100回到達っていうある日、ユーリが言った。

ユーリ「今日で2回しちゃう?私はしたいな」

その言葉は純粋な性欲からだったと思う。
100回近いセックスの中で、ユーリは(大人としての)すけべになった。
何回もイクようになったし、飲んでと言わなくても精液を飲んでくれる。
外出しの精子が顔まで飛んでも、おへそが白い水たまりになっても、いやな顔しない。
(髪に精子がついたらいやな顔された)

学校のトイレでユーリのまんこを初めて見た、あのポーズ。
何というか、体育座りで仰向けになった感じ、と言うべきか。
その状態で挿入する。ユーリが膝を開かない正常位。
この体位で(しかも上半身は制服を着て!)するのが俺は一番興奮するって気付いた。
ユーリにとってもそうだった。

あのトイレでの出来事、あのとき拭いたおしっこは、少しぬるぬるしてた気がするって。
ユーリがそう言った。
気のせいかも知れないと言ってたが、初めて濡れたんだろうか。
あれが俺とユーリのエロの原点だったのだ。
セックスするようになってから、ようやくあの日のことを、お互い話せるようになってた。

ユーリが気持ちよくなり過ぎて、おしっこがぴゅるぴゅると、もれ出たこともあった。
かまうことなく、おしっこくさい肉の割れめを舐めてあげたら、ユーリは泣いて喜んだ。
おしっこが原因でいじめられてた過去が、どうでもよくなったって。

「ベンジーとだったら安心しておしっこもらせるみたい(笑)」だと。
もらして欲しいわけではない。

「ベンジーも私の前では安心してうんこもらしていいよ(笑)」だと。
もらしたいわけではない。

俺の顔の上にまたがるのもユーリのお気に入りだった。
でもシックスナイン69よりは、俺が立った体勢でちんこしゃぶるのが好き。
唇でちんこに触れる前に、必ず一度俺の目を見て、ゴクンとつばを飲み込むユーリ。
タマ袋を、パンチングボールみたいに指でぽよんぽよんしてるユーリ。
どの表情もとてもいやらしくて、そしてかわいかった。

恥じらいは残していたが、そんなふうに、3ヶ月の間にユーリはすけべになった。
だからこの日、仲直りのための儀式はさておき、単にやる気まんまんだったみたい。

そして!

そのユーリの誘いを俺は!断腸の思いで断った!!
15歳にして半年で約200回のセックスに溺れた、優柔不断な俺が、断った!!

俺は俺の思いをここで初めて告げた。
あと2回セックスしたって、もう元の3人には戻れない。
戻っても、また同じことの繰り返しで、2人が辛い思いすると思う。
だから俺は2人と別れる。
2人のためにそうするって、わかってほしいのだ。
ぐっさんはもう俺とずっと話もしてないが、学校生活は友達とうまくやってるみたい。
そのあいだ俺とユーリが密会してきたことも、ひょっとしたら感づいてるかもしれない。
でもぐっさんは何も言わないでいてくれる。
ぐっさんも、もう戻れないことはわかってるんじゃないかと思う。
これからユーリとぐっさんが仲直りしたとしても、俺は2人と出会う前に戻るよ。

…って感じのことを冷静にかっこよく言えるよう、俺は直前に3回オナニーしてあった。
かっこいいことだけ言って、ぶっちゃけセックスに疲れてきてたことは内緒だ。
でもやっぱり少し泣いた。ユーリも泣いてた。

でもなぜ俺は、100回を待たずに終わりにしようと思ったのか。
俺は保険をかけたのだ。
保険っていう表現じゃおかしいかもしれないが。

俺「100回の約束だったから、あと2回はいつか会えるときのために取っといて。
大人になって、また会うことがあったら」

俺は、ユーリと100回セックスしたら完全に別れるつもりで、心の準備をしてた。
でも、直前になると、どうしてもそれがさびしくなった。
だから、回数を残しておけば、いつかまたユーリと結ばれると思った。
今は別れても、いつかまた会える可能性を、残しておきたかったのだ。
別れたけど別れてないって言うか、別れを無期延期にしたいみたいな。
かっこつけ過ぎだし、うまく言えないが、そんな感じだ。

俺は最初、ユーリは納得しないと思った。
それを振り切るからこそ、かっこいい男でいられると思ってた。

でもユーリは、泣いてはいたが、なぜかうれしそうに言った。

「またいつか会えるんだ!よかった…!」

なぜそんな言い方したのかわからなかったが、明らかにうれし涙だった。
まるで俺が別れを用意してたことまでは、すでに知ってたみたいな。
その上で、また会えることは考えてなかったからうれしい、みたいな。

そんな俺のとまどいをよそに、ユーリがそわそわし始めた。

ユーリ「わかったから、2回のうち1回は今して。私、私ね!がまんできない!あはは」

!!ユーリが濡れた目でそう言った。
そう言われるのを見込んで、意識して複数回残したわけではない。

しかしそこまでお願いされたら、3回オナニーしたちんこでも、断れるわけなかった。


12---------------

最後じゃないけど仮の最後だからと、なるべく時間をかけてセックスした。
俺がイきそうになったら一旦抜く。
そして抱き合って、ちゅうして、口と指でユーリをイかせた。
それの繰り返し。
今までで一番、ユーリがぴゅるぴゅるとおしっこをもらす回数が多かった。

この日まで、生で挿入した回数は多くない。
でもこの日は入れたり抜いたりの繰り返しだったから、ここまでゴムは付けなかった。

いよいよがまんできなくなったので、最後はゴムを付けようとしたら、ユーリが言った。

ユーリ「そのままして、中で出して」

恐ろしいことを初めて言われた。
そんなことできるわけないって言ったけど、ユーリは超Super真顔だった。
とりあえず生で入れた。

何回も寸止めしたあとなので、すぐにでも出そうだった。

俺「もう出るよ~」

ユーリ「うん、中で!そのまま!あ、あ、だ、出してね…ん、んひっく!」

セックス中、たまにしゃっくりする癖があったユーリだが、慣れてからはしなくなってた。
でもこのとき久しぶりにしゃっくりした。
膣内射精を受け止める覚悟と緊張のせいだと思う。
ギリギリまでユーリは中で!って言い続けたけど、そういうわけにはいかなかった。

ユーリ「もう最後だからね、ね、ベンジーお願い…んっひ」

俺「最後じゃないよ、ユーリとはいつか必ずもう1回するから!」

おなかとおっぱいに思い切り、ぴゅるぴゅる出した。
3回オナニーしたからその日4回目の射精なんだが、水っぽい精液が死ぬほど出た。
ユーリはがくがく震えながら、びくびく震えるちんこを見ながら、放心状態になった。
精液を死ぬほど浴びながらイってしまったユーリは、自分のしゃっくりで我に返った。

ユーリ「ひっひ!んあ、あー、こんなに出たんだ。これじゃ中には入りきらないよね」

俺「あれ(中出し)、本気で言ったの」

ユーリ「ううん、ああいうの一度言ってみたかっただけ。本気なわけないじゃんか」

…絶対本気だった気がする。

いっしょにお風呂に入った。
大人になって、会う必然があるんだったらいつか必ず自然に出会えるよ、って言った。
そもそも同じ町内に住んでるから、明日バッタリ会ってもおかしくないんだが。
でもクールに決めようと思ったら、大人って言葉を使いたかった。

ユーリ「ベンジーがまた会える、って言ったらほんとに会えるから、信じてるよ」

幼稚園でお別れしたとき、俺は覚えてないが、何も考えず「またね」って言ったらしい。
その当時の俺側の事情を考えると、また会える見込みなんてなかった。
ユーリのいる小学校に転校したのは、ほんとにたまたま戻って来れただけなのだ。
でも「またね」と言った俺が、ほんとにまた会いに来たから、とてもうれしかったらしい。
(会いに来た、わけじゃなくてたまたま会えただけなんだが)

俺「(記憶になくても)俺は約束を守る男だ」

ユーリ「その時まで最後の1回はとっとく?」

俺「とっとく。中に出すかも」

ユーリ「どんと来い!(笑)」

1回だけちゅうして、笑顔で別れることができた。
でもあとで少し泣いた。ユーリも泣いたかな。

何だかきざなことをたくさん言ってるようにみえるが、当時俺は15歳のガキである。
もともと中2病的ではあったが、そんな気取ったことをほんとに言ったかどうか。
台詞の記憶はあいまいである。
しかしサルみたいな少年が踏ん張って、性欲に任せる生活を断ち切ったのは事実。
踏ん張れたのは、ぶっちゃけセックスに飽きたからかも、っていうのはやっぱり内緒。

ただ、最後の最後に、ユーリはこう言ったのだ。
「実は私も、ベンジーと同じこと考えてた」

俺「どういうこと」

ユーリ「ううん、何でもない。また会う約束してくれたじゃんか。だからもういい」

ユーリが言いたかったことは、このときの俺はまだ知らない。
次にいつ会うのかはわからないまま、『またね』と言ってユーリは帰った。

その後、しょんべんゴリラの友情が復活したことは風のうわさで知った。


13---------------

ユーリとセックスして別れたのは、高校1年の12月。
親愛なる2人の女性のために、俺は欲情にまみれた自分の青春を投げ捨てた。
そんな自分ちょっとかっこいい!と思って酔ってた。

年が明けると俺はすぐ16歳になる(早生まれ)。
新しい年、愛する人の幸せだけを願う、煩悩に惑わされないクールな男!
俺はそんな男に生まれ変わったのだ。
セックスはお腹いっぱいだったが、しなくなると、やっぱり欲求不満にはなった。
でも我慢したのだ。
これが大人の男の決断だ!(未成年だけど)、という自己満足。
そんなんで清々しい気分になったふりをした。

そして、そんな虚勢が長く続くはずもないのが、10代の男という生き物だった!
セックスを覚えてしまった男子高校生の虚勢なんて、抜群にもろかった。

オナニーするときに、せっくすしてえよー、と無意識に涙目でつぶやく。
そんな日々がやってきた。
でもあんなにかっこつけて別れを告げた以上、今ユーリを求めるわけにはいかない。

でもきっとバレンタインには、何もなかったように、ユーリがチョコを持って来たりして!
それをきっかけにまた!

でも何もなかった。ぐっさんからも。
他に親しい女はいない。さびしかった。

しょんべんゴリラには縁があってモテてただけで、そもそも俺はモテる男じゃない。
ぐっさんと親しくしてたおかげで、ぐっさんのブス友たちと多少の親交はあったが。
でもモテるのとは違うし、俺もぐっさん以外のブスに興味はない。ブス専ではない。
それにぐっさんとは距離を置いたから、学校で女とのやり取りは皆無に近くなってた。

俺がしょんべんゴリラ復活を知ったうわさというのは、トミー経由の流れである。
トミーっていうのは、中学卒業時ユーリにあっさりふられた、あの男である。
同じ高校だが、中学時代の俺との付き合いは、半分ユーリ目当てだったという。
だからそれまで高校では、ほとんど接点がなかった。

トミーはなんと、ぐっさんと付き合い始めていた!
トミーはなんと、ぐっさんと付き合い始めていた!(こだま)
びっくり。
びっくり。(こだま)

まず、トミーがユーリにふられた時に言われた台詞を思い出してみた。
『でもトミーは、ぐっさんのことは好きじゃないでしょ』

ユーリは『私とぐっさん、両方好きな人が好き』と言った。俺のことだ。

当然、半分は断る口実として言ったんだろうが、単純なトミーはそれを真に受けた。
ゴリラの飼育員に採用されれば、ユーリと付き合う権利が持てる?
などと考え始めたんである。
ある意味一途で素直な男だったのだ。
俺がぐっさんと話さなくなった時期と前後して、トミーはぐっさんとの交流をはかった。

そのころ俺とセックスしなくなったぐっさんは、俺と同じく欲求不満だった。
そこにトミーが、ちょくちょく話しかけてくるようになった。

そこから先は何がどうなったかわからないが、とにかくくっ付いたのである。
まあぶっちゃけると、ぐっさんがやらせてあげたんだな。
ぐっさんはセックスに慣れてるから、童貞相手にはテクニックは十分だったろう。
外見はともかく性格はいいやつだし、トミーも情が移っちゃったんだろうと想像する。
その後もくっ付いたり離れたりを何度か繰り返してるので、なおさらそうなんだろう。

そんなこんなは、ぐっさんから聞いたんじゃなくて、トミー含む周りからの情報である。
ぐっさんとはずっとまともに話をしてなかった。険悪な雰囲気って意味ではない。

ユーリと仲直りしたからには、俺とユーリがやりまくったのもぐっさんは知ったと思う。
俺が2人と別れるって言ったことも。
そして、ぐっさんがそのことを、少なくともよろこんではいないことも想像できた。

俺以外の男にはぐっさんは相手にされない、と俺は思ってた。
彼氏ができたのは喜ばしいことだ(穴兄弟という概念は当時の俺にはなかった)。
俺のおかげでフェロモンの出し方を覚えてくれたんならうれしい。
素直に祝う気持ちになれる。

だが…あわよくば、またぐっさんとやれないかと思ってた俺には、失望でもあった。
もうぐっさんは俺のもとを巣立っていったのだ。
もうあの頃には戻れないって言ったのは俺だ。
欲求不満に苦しむのも俺の自業自得。

いや待て!
俺にはユーリとの約束があるのだ!またセックスしようという約束。

いつか自然に会えるなんてかっこつけたが、別に嫌われて別れたわけじゃないのだ。
それにぐっさんに彼氏ができたんだから、状況はもう変わったのだ。
ということは、今すぐ俺とユーリが結ばれても傷つく人はもういない。

よしこれだ!

しかし、ぐっさんが傷つかないと言っても、少なくともいい顔はしないはず。
ユーリもぐっさんも、俺の決断を受けて「大人のけじめ」を意識してるはずだからだ。
もう子供じゃないってことだ。

子供みたいなかっこ悪いことにならずに、ユーリと結ばれる流れを作れるだろうか。
何か都合のいいきっかけが欲しいなあ、きっかけ、きっかけか。
偶然を装ってユーリにふらふら会いに行こうか。
俺が一番子供な気がする。

なんてことを考える日々、そして俺はぐっさんから話を聞かされる。
久しぶりにぐっさんとの交流だ。きっかけがやってきたのか!

「ユーリが県外に転校したウホ」

…ユーリが消えた。俺はおなかが痛くなった。
俺たちは高校2年生になっていた。


14---------------

俺に何も告げずにユーリが消えた。

だがぐっさんは何かを知ってるようだ。
ユーリはかなり遠くに引っ越してしまったらしい。

ぐっさんに聞くと、引越しの理由は経済事情だった。
(※詳細は書けないので簡単にまとめる)
ユーリの両親がやってる、もともとHyperどん底だった自営業がつぶれた。
家(事業所)もとられて、借金が残った。
一方、父親の出生地であるA県で、親戚が会社やってる。
そこで世話になりながら、一家は出直すことに。
ユーリは転校して、高校卒業までは親戚が何とか支援してくれるらしい。

そんなわけでユーリ一家は今、A県にいるという。遠い。

しかも、落ち着いたら連絡するってだけで、詳細な居場所は言わなかったそうだ。
親戚に迷惑がかかると思っているようだ。

借金は死ぬほど大げさなものじゃないから心配するなと、ぐっさんが言った。
お前が言うな。

ぐっさんも、このことは直前まで知らされなかったという。
ユーリは、俺たちに何も言わずに消えて、事後報告するつもりだったらしい。
結局ぐっさんには、言わずにはおれなかったわけだが。

そして俺は、ぐっさんと話すうちにわかってきた。
ユーリはだいぶ前から、俺たちとの別れを予想してた。
家業の経営は、ユーリが高校に入って間もなく、ほぼ行き詰まったみたいだ。
だから引越しやら転校やらの心構えは、とっくにできてた。

夏休み、しつこいくらいに俺たちを誘ったこと。
先輩の誘いを断るただの口実でも、形だけでも、俺の彼女になりたがったこと。
俺たちとの仲直りにこだわったこと。
仲直りを信じて、短い期間であわてるように99回もセックスしたこと。
今後の俺とぐっさんとのセックスも容認したこと。
俺の子供が欲しいともとれるような態度を示したこと。

ユーリにとって全部、いなくなる前にしておきたかったことなのだ。
いなくなる前にもう一度、仲のいい3人に戻っておきたかったのだ。
そして100回のセックスを、別れの儀式にしたかったのは、俺よりユーリのほうだった。

『私もベンジーと同じこと考えてたよ』

ユーリが言ったのは、このことだったのだ。
でも同じではない。
俺はただ大人ぶって、クールな別れを演出したつもりの自分に、酔ってるだけだった。
ユーリにとっては、別れを受け止めるために、どうしても必要な思い出だったのだ。

なんでギリギリまで言ってくれなかったのだ。
言えないほど、家の事情は深刻だったんだろうか。
死ぬほど大げさじゃなくても、二度と会えないと覚悟するようなことだったんだろうか。

ぐっさん「ベンジーにお別れしなくていいのかって聞いたら、ウホウホ」

ユーリは終始笑顔で、でも涙をこらえるように、こんなことを言ったそうだ。

『ベンジーとは約束があるから、遠くに行ってもお別れにならない。
だからお別れは言わない。
どこで何をしててもいつか必ず会えるってわかってるから、全然つらくない。
その日が来るまでがんばる』

…俺は泣いた!人前で声を出して泣いたのは初めてだった。
ユーリは心からあの約束を、俺のことを、信じ切っているのだ。

『また会う約束してくれたじゃんか。だからもういい』
ユーリがそう言ったとき、俺は意味を理解できなかった。でも今はわかる。
俺の言葉を、ユーリは心のより所にしてくれたのだ。
会えなくなる覚悟してたのに、俺が会えるって言ったから、希望を持ってくれたのだ。
身勝手な俺はあの約束を、セックス保険とすら考えてしまったのに。
でもあれがなければ、ユーリはほんとに消えてしまったかもしれない。

ユーリはこれほど純粋に、2人の絆を信じているのだ。
なのに俺はっ!!

ユーリの家が裕福じゃないのは知ってた。
なのに、ずっと一緒にいても、俺はユーリの事情にまったく考えが及ばなかった。

突然会えなくなるなんて思ってもないからこそ、いつか会えると気軽に言えたのだ。
会おうと思っても会えないんだって思うと、無性に会いたくなった。

ユーリは、俺に別れを告げなかった。
再会を信じてるからでもある。
でもぐっさんはこうも言った。ベンジーに迷惑かけたくなかったからだ、と。

『ベンジーは約束は必ず守るって言った。うれしい。
でも、そのせいでベンジーの人生が振り回されたら、うれしくない。
約束は無期限だから、忘れないでいてくれたら、思い出さなくてもいい。
私がいつまでも待ってることを、ベンジーには伝えないで欲しい』

伝えないでというユーリの言葉を、結局俺に伝えちゃったぐっさん。
ぐっさんもちょっと泣きそうだった。
約束にエロが絡んでることまでは知らないようだ。
でも乙女心の琴線に触れる何かを感じ取ったんだろう。ぐっさんも一応女だ。

俺にとっては半分成り行きで、ただかっこつけるためにした約束。
この日から、俺の人生を決定付ける、本当に大切な約束になった。

振り回されてもいいのだ。むしろ振り回されたい。


15---------------

当時、持ってる高校生はごく少数派だったケータイを、ぐっさんは持ってた。
ユーリから引越しの事実を聞いたその日、親に無理言って契約したのだ!
そのケータイにユーリから電話がかかって来たのは、2か月ほどあとのことだった。
公衆電話からだった。

俺とぐっさんが一緒に学校にいるであろう、授業終了後すぐの時間にかけてきた。
ユーリの思惑通り、俺とぐっさんは同じ場所にいた。

ぐっさんはひと通り近況を話したあと、俺に代わってくれた。
久しぶりに聞くユーリの声は、思ったよりは元気だった。

俺「俺A県の大学に行く」

ユーリ『あはは、無理無理、きびしいよ。何でそうするの?』

俺「それ聞くのかよ。ユーリに会いたいからだ」

ユーリ『……。んっ』

俺『ユーリ?(泣いてるのか)』

ユーリ『…私も会いたい。無理して欲しくないけど、ほんとに受かったら、…』

俺「受かったら?」

そばで様子をうかがってるぐっさん「うほ、愛をささやけ」

俺「何だとう!」

ぐっさん「愛をささやけ!」

俺「うはあ、あの、ユーリ」

ユーリ『あ、うん』

俺「…、すす好き」ピッ。(電話切っちゃった)

ぐっさん「ばか、何をしておるのだ」

ぴっぴろぴ~、と、すぐにユーリがかけ直してきた。

ユーリ『私も好き』

だがその台詞を直接聞いたのは、思わず電話に出てしまったぐっさんだった!
何でお前が顔を赤くしてるのだ。

電話に出たのがぐっさんだと気付いたユーリは、あわてて
『…って言っといて!』と電話を切った(らしい)。

ぐっさんのケータイにユーリからかかって来たのは、その日が最初で最後だった。
それっきり、ユーリからの連絡はなかった。

ユーリは家族と一緒に、親戚のとこで貧乏居候生活してる。
借金返済の支援もしてもらいながら、高校にも通わせてもらってる。
その代わり親戚の会社で、タダ同然でアルバイトもしてる。
肩身が狭い思いをしてるであろうことは、想像するまでもなかった。
電話も含めて、あまり自由に行動できる立場じゃないのかもしれない。
落ち着くまで、まだ時間がかかるのかもしれない。

こっちはユーリ側の電話番号を知らない。
便りがないのは良い便り、って考えて、無理にでも安心するしかなかった。
その内ぐっさんは、ケータイを解約した(させられた)。

そして、ユーリがいなくても高校生活は、日々それなりに暮れていく。
高校3年生になった。

ぐっさんとトミーの付き合いは、ゆるゆると続いてた。

ぐっさん「あいつMだ。いじめたら喜ぶからおもしろい。うほうほ」

ぐっさんがいじめる側に回るとは。昔いじめられっこだった意識は希薄らしい。
とにかく仲良くやってるようで安心だ。
思えば、ぐっさんとほど良い距離感を保てるようになったのは、トミーのおかげだ。
おかげで、ぐっさんは俺とユーリのことを、応援してくれるようになったのだった。
トミーがいなかったら、また何かぐちゃぐちゃになってたかもしれない。
あいつアホだけど、感謝せねばなるまい。

しかしやっぱり、あれ以来ユーリからの連絡は、俺にもぐっさんにもなかった。
もともと最初から連絡するつもりがなかったのを、1回だけ電話してくれたんだろう。
連絡先を教えてくれなかったのも、ユーリなりの決意があったからなんだろう。
そう信じるしかなかった。

そして俺はユーリに会うために、進路をA県の大学に定めた。
俺はガリ勉に生まれ変わった!

…無理だった!ユーリの言うとおり。

もともと俺の成績はhyperどん底だった。
勉強嫌いな上に、1年のときはセックスばかりしてて、俺は完全に置いていかれてた。

地元の四流でいいから大学は出とけ、という親の反対を押し切って、就職することに。
早く働いてお金稼げば、ユーリの力になれるんじゃないか!
そう考え直したら、進学よりも就職が正しい選択だと思えた。
ユーリがいるはずのA県A市からの求人票を探した。

詳しくはどこにいるかわからない。
俺のことを忘れててもおかしくない。
ユーリにはもう会えないかもしれない。
それでも行くしかないのだ。

ユーリが心配したとおり、そして俺が望んだとおりである。
俺はユーリとの約束に振り回され始めていたのだ。

卒業後、俺は1人A県へと旅立った。


16---------------

仕事は大きな会社の工場勤務。
敷地内の社員寮に閉じ込められる、しがない高卒の下っ端workerである。

でも近くにユーリがいるかも、って思うだけでやる気が出た。
全然あてがなくても偶然会える確率は、地元に残ったときの何百倍にもなったはず!

ところが。研修後の配属は、B県のB工場であることが判明!

何だとう!遠いよ!

(距離感は、俺の地元が九州だと仮定すると、A県は関東、B県は関西って感じ)

高卒新人は半年くらい、B県工場で見習い的な扱いなんだそうだ。
そんないい加減な人事知らん、俺が聞いてなかっただけか。何しに来たの俺。

半年経ったら、A県の本社工場に戻れる。
住むとこはどっちみち寮なので問題なし。

しょうがないから半年真面目にがんばったんだが、がんばり過ぎたんだろうか。
「お前使えるからB工場に残れ」的な辞令が出た。
やっぱりいい加減な人事だ。
使えるなら本社に戻してくれと言いたかったが、新人の希望が通るわけない。
何それ、俺もう辞める!

辞めた。

安い寮生活のおかげで、たかだか半年の労働でも、ちょっとはお金が貯まった。
それを元手に、A県で1人暮らしを始めて、仕事を探した。
こういう立ち回りするときに、特に未成年は親の協力が必要だから、面倒だ。
でも何とかなった。
もともと就職に反対してた親の手前、自立のために半分意地になってた。

小さな制作会社で、なかなかクリエイティブな感じのアルバイト開始。
田舎から1人で出てきてがんばってる俺に、みんな良くしてくれた。
大体使いっ走りと言うか、ただの御用聞きみたいな仕事をやってた。
あとは雑用とか、できることは何でも。
とにかくあくせくと、小さくても忙しい会社だった。
がんばって働いてたら、正社員にしてくれた。仕事って楽しい。

その内、形だけだが、企画営業っていう何だかかっこいい肩書きをもらった。
やりがいはあったし、真面目に働いたらちゃんと給料も上がった。

ユーリのことは、忘れないけど段々と、頭のスミの方に追いやられていった。

最後にユーリの声を聞いた16歳のときから、この時点で何と4年以上が過ぎていた。

モテない俺は彼女もできない、遊びも知らないから、そのぶん仕事をがんばった。
そもそも、彼女ができたらユーリを裏切ることになる。
でも俺がもしモテてたら、成り行きで彼女ができたら、流されたと思う。
それくらい、ユーリのことは、懐かしい昔の思い出に変わりつつあった。

会社はちょうど、零細企業からの脱却をはかってた時期で、社長もはりきってた。
だから俺もがんばれたし、世話になってる社長にはいい意味で頭が上がらなかった。

その社長がある日こんなことを決めた。

「B県に支社つくる!立ち上げメンバーは○○部長と△△さん、ベンジーも補佐役で」

お得意さんのいくつかが、B県が本拠地だったり、B県に営業所があったりする。
だからこうなった。

「正直お前が独り身なのも理由だ、すまぬ、行ってくれ。引越し資金は会社が出す」

と頼まれたが、謝られるなどとんでもない。
こんな下っ端でも頼りにしてくれるなら、よろこんで働く。
社会人成りたてのあのころとは違うのだ。
もちろん、ユーリのことはもうどうでもいい、なんてことは、あるわけない。
でも会える見込みはまだないし、今この土地に執着してもしょうがない。

それにしても、B県、またか。
B県B町まで前の職場と住所が同じ。
イヤイヤ働いてたのを思い出すから、いい気分じゃなかった。

でも基本的には前向きに、B県での仕事と生活がスタートした。


17---------------

支社立ち上げ当初は死ぬほど忙しかったが、数か月で何とか落ち着き始めた。

現地採用でのアルバイトも何人か入った。
俺も面接官をやったんだが、こんな20歳そこそこの俺より年上の人も来た。
おかげでなめられたりもしたが、逆に、若くてもやってけるって思ってくれる人もいた。

そんな中、制作補助で入った同い年の女の子が、俺にもんのすごく懐いてしまった。

「私と同じ年なのにすごいですね、ベンジーさんかっこいいですね!」

かっこいい、だとう!

本気で言ってるのか。やばい、このままでは彼女ができてしまう。
ユーリ…。いや、もう、いいんじゃないのか。

何を隠そう俺は!あの15歳の半年間以来、6年以上セックスしてない!
(ヘルスは付き合いで一度だけ行ってしまったが、初対面の人と、ってノリで萎えた)

正直言うと彼女ほしい!やりたい!

部長や他のスタッフからも、その子(ソノコ)との仲を怪しまれるようになった。
怪しまれるっていうか、積極的に応援してくるのだ。
俺がずっと彼女いなかったのを知ってるから。(ユーリとのことは誰も知らない)

ソノコはキノコみたいな髪型で変てこなメガネかけてて、不思議ちゃん系統である。
あんまりかわいくない。
しかし、俺はブス専ではないが、ゴリラなぐっさんが大好きだった。
縁ときっかけがあれば、外見はほとんど気にならない自分を知ってる。
ソノコも、周りに冷やかされるのがまんざらでもなさそう。

これも何かの縁か…。
だが何を隠そう俺は!しょんべんゴリラとの付き合い以外、まともな恋愛を知らない。
(※しょんべんゴリラって言葉が久しぶりに出てきた。ユーリとぐっさんのことである)
いやそもそも、あの関係はまともな恋愛ではない。

気になる子がいても、どうしていいかわからないのだ。
とりあえず忙しいこともあって、ソノコとは一度、軽く夕食を食べに行ったくらい。
ソノコと何かが始まりそうな気配は、気配のままだった。

さて仕事のことであるが。
健康食品を扱ってる、ある小さな会社と取引関係ができた。
俺は基本まだまだ下っ端で、上司の補助的立場として、おもに御用聞きやってた。
でもそこのおっさん社長が俺を気に入ってくれて、1人で打ち合わせに呼ばれた。

いつもはカウンター越しに指示を聞いたりするだけだが、初めて応接室に通された。
応接室といっても、パーティションで仕切られた小さなスペースと小さなテーブル。

おっさん社長は打ち合わせもほどほどに、俺といらん話がしたいらしい。

おっさん「B工場にいたことあんのか。あの会社に出入りしてるよ俺。見たことない?」

俺「はあ、そうなのですか、でも僕ただの工員だったから」

おっさん「それでも、ベンジー君が転職しなくても、いずれ知り合ったかもしれんねえ。
君がまたB町に戻ったのも何かの縁、運命かもしれんね、これからもよろしく頼むよ」

運命か。ふと、久しぶりにユーリとの約束が強く頭をよぎる。
俺とユーリの運命は今、どうなってるんだろう。

そのとき。

おっさん「ユーリちゃーん、お茶まだー」

え!!(ざわ…ざわ)

ユーリ!いや、めずらしいってほどの名前じゃない、ユーリがいるわけない。
でも何だかどきどきして、少しおなかが痛くなった。

おっさん社長とは別のおっさんが、お茶を持ってきた。

別のおっさん「お待たせ」

おっさん「ちっ、花のない接客だな」

別のおっさん「あの子今トイレだよ」

おっさん「なんだおしっこか」

デリカシーのないおっさんどもである。
だが俺は「ユーリ」「おしっこ」っていうキーワードに敏感に反応してしまう。
思い出の反芻に、思考の半分を占有された。

学校のトイレでおしっこを見せたユーリ、イクときにぴゅるぴゅるともらしたユーリ…。

あれれ。まずい、このままではぼっきしてしまう!
会いたい、ユーリに会いたい、無性に会いたい…やりたい。

おっさん「これ、うち(健康食品の会社である)で売ってるやつ。まずいけど飲んで」

我に返った。
目の前にあるのはユーリのおしっこ…いや、琥珀色に濁った冷たいお茶だった。
まずいのはいいんだが、俺は胃腸が強くないので、冷たいのは控えるようにしてる。
でもお客さんが出してくれた物だし、暑い時期だったし、のども渇いてた。

これをがぶがぶ飲んでしまったとき、俺の運命は決まった。
いや、飲まなくてもとっくに決まってた。


18---------------

おっさん社長と打ち合わせしながら、俺のおなかはぐるぐるし始めた。
普段冷水一杯くらいで下ることはないんだが、この日は緊張もあった。
初めての仕事、初めて飲む変なお茶、ユーリを思い出して動揺したこと。

まずい、がまんすればするほど、腸内でガスが発生して苦しくなる。

何とか打ち合わせは済んだが、安心してしまったそのときが限界だった。

俺「すいません、トイレ貸してええ!!」

おっさん「あら?初めてあれ飲むとやっぱり下っちゃうか。OK、ぶっぱなしといで」

やっぱりって何だ!このおっさん!便秘にいい成分でも入ってるのか。
しかしこういうとき、デリカシーのないおっさんの態度は、かえってありがたい。
恥ずかしさが半減される。

と思ったのも束の間、小さい共用トイレが、狭いオフィスの奥にあったわけだが。
何とトイレのドアの、すぐ近くのデスクに若い女の子がいた。

何だよこのレイアウト。女の子にうんこの音聞かれる…!

ほっそりしたきれいな女の子SlenderBeautyだった。
他に若い子がいないようだから、この子がユーリちゃんだと思われる。

何だか顔もユーリに似てるな。かわいい!
ユーリも今ごろは、こんなふうに化粧もするようになって、がんばって働いてるかな。
なんて、感慨にふけってる余裕はないのだ!うんこうんこ!
女の子(ユーリちゃん)のそばをささっと通る!うんこうんこ!

ユーリちゃん「あ、お手洗いですか、どうぞ、…!」

今にもうんこをぶっぱなそうとしてるのが、ユーリちゃんにも伝わったようだ。
目が合ったら気まずくなって、そしてあることに気付いた。

俺「うは?あ、あ!あはは!」

目を見開いた彼女の顔を見てたら、突然笑いが込み上げて止められなかった。
とにかく俺はトイレに駆け込んで、おっさんの言葉に甘えてぶっぱなした。

もりもりバビバビ、ぼっぱーぶっぱー、と俺のうんこは遠慮がなかった。
一応エチケットとして、水を流しながらしたんだが、無意味だったと思う。

ユーリに下痢うんこの音を聞かれたあの日のことを、鮮明に思い出した。
あれはほんと恥ずかしかったな。
恥ずかしかったが、あのときのユーリの言葉がおかしくて、そしてうれしかった。

『大丈夫、私なんてしょっちゅううんこもらしてるよ!』

その言葉を思い出して、ニヤニヤが止まらなくて、ついでにぼっきもしてしまった。
まあそれはともかく、全部ケツから吐き出した。

出してしまえばすっきり。
ああ、今トイレから出て、ユーリがそこにいたら、何て言ってくれるだろうか。

ドアを開けてオフィスに出ると、そこにいたのはユーリ!
…いや、おっさん社長だった。

おっさん「大丈夫?俺なんてしょっちゅう飲んでるけど、君には即効だったか、すまぬ」

てめえ、こんな作用があるなら最初に言いやがれ。
だがそんなことはもう、どうでもいい。

俺は今、目の前の奇跡をただ実感していたい。

俺の目は、ユーリちゃん、いや、ユーリに釘付けだったのだ!

ひと目では気付かなかったほど、ほんとにきれいになった…あ、眉毛そってる。
もともとやせてたのに、さらにほっそりしてるのが、ちょっと心配にもなった。

彼女が何でここにいるのか、そんなことも今は気にならなかった。

目が合った。ユーリは今にも泣きそうだった。
俺も泣きそうだったが、もう大人の男だ。
お客さんの前で泣くわけがない。

ユーリ「前にも、似たようなこと、あった気がするよ」

俺「あのときは恥ずかしかった。今もだけど」

ユーリ「大丈夫、私なんてしょっちゅううんこもらしてるよ!あはは」

思い出の中のユーリと、今のユーリが、完全に重なった瞬間だった。

だめだ。もう限界だった。俺は泣いた。
きょとんとしてるおっさん社長。
おっさんにはその場で軽く事情を説明したのか、きちんと話したのは後日だったか。
ちょっと覚えてない。

応接スペースで2人だけにさせてもらった。

ユーリ「あっあの失礼ですが、名刺をいただけますか」

俺「申し遅れました、××社のベンジャミンといいます」

ユーリ「ベンジーだよね?また会えた、よかった!」

俺「今さら…」

ユーリ「あ、ごめん、ここまできて人違いだったらどうしようって思って」

俺「元気だった?」

ユーリ「うん、何とか。でもさ、ほほほんとに、来たんだね。あの約、束、く…、うふー」

俺「(ただの成り行きでも)俺は約束を守る男だ」

ユーリ「あは、わっわかってる、でもびっくりだよこんな突然ん、んひっひ、ぐすぐす…。
…うわはあ!会えたんだ、会えた!ベンジー…!よかったああああ…!」

しゃっくりしながら本格的に泣きだしたユーリは、でも少し笑っていた。

ユーリ「居場所言わなくてもねっ、ひ!、ベンジーのいうとおりになった。すごいよ…」

ここで会えたのは当然たまたまで、俺が何かしたわけじゃない。
運命的な偶然なんだが、ユーリは俺の力だと信じて疑わない。目がきらきらしてる。
でも化粧が落ちて目がちょっと黒くなってるユーリに、俺は言った。

「俺うんこくさくない?」

ユーリ「ふふ、お風呂入ってきたら。おふっ、おふろ!」

初めてセックスした日のことを、ユーリはちゃんと覚えてる。
2人して、どうにもニヤニヤが止まらなかった。

俺「いっしょにお風呂入ろ」

ユーリ「あは、ああああとで!あとでね!」

このあとユーリは、おっさんたちに質問攻めされるだろうな。
俺だって聞きたいことは山ほどあるが、仕事も山ほどある。
急いで会社に戻り、速攻で仕事を片付け、めずらしく定時前に帰り支度を始めた。
アルバイトの、俺になついてる女の子、ソノコが話しかけてきた。

ソノコ「ベンジーさん今日早いですね、時間あるんだったら今夜、あの、その、きのこ」

俺「これからデートなのだ!」

ソノコ「えー!彼女いるんきのこ!」

俺「すまぬ」

ざわつく周囲を尻目に、俺はユーリとの待ち合わせ場所に向かった。


19---------------

事情を聞くのが先か、セックスをするのが先か、俺は迷った。
いや!大人だから迷うわけないのである。話が先に決まってる。
ゆっくり話ができるように、個室がある居酒屋に入った。
あらためて再会をよろこび合うよりも、ユーリの謝罪が先だった。

ユーリ「まずは、ごめんね。何も連絡しなくてごめん」

言い訳っぽくなるけどもうすぐハガキでも書くつもりだったんだ、とユーリは言った。
ようやく落ち着いてきたし、仕事にも慣れて来たから、と。

態度には出さなくても、ユーリがそれなりに大変な思いをしてきたことはわかる。
だから俺はまったく責める気はなかった。

そしてユーリがこれまでのことを話してくれた。
(ユーリ側の事情については詳しく書けないので、例によって簡単にまとめる)

もともとユーリの母親は、商売こけさせた甲斐性なしの父親との、離婚を考えてた。
(父親の浮気疑惑もあったようだが、それはよくわからない)
それでもユーリが高校を出るまでは、と、いっしょにA県でがんばってたわけだ。
いろいろもめたが、親兄弟に甘えっぱなしの父親とついに縁を切った。
借金返済の見通しはついてたし、父親方のはずの親戚側も意外と味方してくれた。
(慰謝料的なものは少しはもらえたらしい)

とは言えほぼ一文無しで、母親の故郷であるB県B町で、母娘の生活が始まった。
母親が病気がちになり働かなくなったが、母方の祖父母や親戚も近くにいる。
他にも頼れる人が何人かいたから、何とかなった。

その頼れる人の1人が、あの健康食品のおっさん社長らしい。
ユーリも詳しくは知らないらしいが、母親の友達だか昔の彼氏候補だか何だかんだ。
それを聞いて俺は思わず叫んでしまった。

俺「あんなおっさん、お父さんなんて呼べねーよ俺!」

ユーリ「???」

俺は先走ってしまったのだ!
ユーリの母親はおっさんと再婚するのかと!
そうなったらユーリにとっておっさんは義理の父!
さらに俺がユーリと結婚したら、俺にとっても義理の父!
こんな回路が一瞬で出来上がってしまって、つい口走ってしまったのだった。

少し間を置いて、俺が口走ったことの意味をユーリも理解したみたいだった。

ユーリ「あはは、おっさんは奥さんいるよ。母さんは多分再婚は考えてない」

そう言えばおっさんの奥さんと会ったことあるよ、知ってるよ、何考えてんだ俺。
俺は自分の早とちりが恥ずかしくて、うつむいた。

ユーリ「…6年だよ?6年ぶりに会ったばかりなのに。そんなこと(結婚)考えてたの?」

俺「ごごめん、つい」

ユーリ「まだ私何も言ってないのに。私に彼氏がいるかも、とか考えなかったのかな」

!!(ざわ…ざわ)

ユーリ「都合良すぎるよ。私が6年もベンジーのことだけ考えてると思ったの?」

(ざわ…ざわざわ)

ユーリ「はい!正解!その通りでしたー!」

俺「ぎゃふーん」

もちろん、ユーリが嘘を言ってる可能性はある。
6年の間に彼氏がいたり、誰かとセックスしたかもしれない。
でもそんなこと詮索する気はない。
信じたいとか、信じるしかないとか、そういうことじゃない。ただ信じる。それだけ。

そのあと俺は、運命について思ってたことを話した。
ユーリの母親がB県出身って俺は知らない、昔聞いたかもしれないが覚えてない。
ユーリがこの土地にくる可能性なんて考えたこともなかった。
でも、俺が知らなくても、俺の運命はそれを知ってた。
だから一度ならず二度までも、運命はここへ、文字通り俺の命を運んで来たのだ!

ユーリと母親がB県に移り住んだのは、ユーリの高校卒業後半年くらいのとき。
それはつまり、逆に俺がB県を出ていったころである。

あのとき会社の人事を受け入れて残ったとしても、俺はユーリに会えたんじゃないか。
おっさんもB工場に業者として出入りしてたと言うから、それがきっかけになったかも。
おっさんの言うとおり、いずれおっさんと知り合って、その流れでユーリと再会…。

それが運命だったとしたら、俺は一度運命に逆らったことになるのだな。
B県を離れてA県で働きながら、ユーリに会える奇跡をあてもなく待っていた。
そして、あきらめたわけではないが人生の優先事項じゃなくなってきたと思ったら…。
なぜかまたB県に来ることになっちゃったの。しかもピンポイントでB県B町。
こんなのただの偶然と思えるわけがない。

さらに、俺に彼女が出来そうな空気が流れる。(ソノコのこと)
すると運命はついにユーリと俺を引き合わせてくれた。

俺「運命か。そういうことか」

ユーリ「そういうことみたい」

俺「ついにあの約束を果たすときが!」

ユーリ「あはは、100回目のあれだ。運命なら逃げたくても逃げられないね」

俺「逃げたいのか!」

ユーリ「いや!むしろ立ち向かう(笑)」

俺「6年ぶりかあ…」

ユーリ「いやー、いくらなんでも6年もがまんするの無理!ベンジーもしてたでしょ?」

俺「してないよ、てかベンジー『も』って何…」(…ざわ…ざわ)

ユーリ「えーうそ!だってだって…がががまん出来ないとき…しょうがないじゃんか…」

真っ赤になってうつむいたユーリを見て、あ、そういうことかって笑ってしまった。
6年間俺のことだけって(万が一嘘でも)言ってくれたんだから。
セックスじゃなくてオナニーのことを言ってるのだ。
ユーリはこう見えてすけべなのだ。

俺「オナニーなら俺もいつもしてる。今日はしないけど」

今日はオナニーしない!これからユーリとセックスするつもりだからだ!
そう言わなくても、ユーリはわかってくれた。
でも断られた!

ユーリ「残念、さっき生理来た。『運命が今日ではないと言っているのだ!』でしょ?
それに、ちょっと準備する時間がほしい」

俺「準備?」

ユーリ「聞くな~!」

俺「あー、ムダ毛処理とかそうゆうやつか」

ユーリ「言うな~!他にもあるよ。言っとくけどこれ一大事だよ?簡単にしたくないよ。
アレもアレだし、心の準備して、ベンジーによろこんでほしいから、アレをアレで」

半分ひとり言のように、ぶつぶつ言い出した。
確かに急いでもしょうがない。
せっかく会えたんだから、もう少しその余韻に浸って、それからのほうがいいと思う。

でも帰る前にキスはした。6年ぶり。外でするのは初めて。
もう、ちゅうとは言わない。もぐもぐ貪るような外人みたいなキスをした。
当然ぼっきしたし、気持ちはもうセックス一直線だったが、今日はできない。
しかもユーリは別れ際にこんなこと言った。

ユーリ「『今日はしない』ってベンジー言ったね。
『言ったことは必ず守る男だ!』でしょ。しちゃだめだよ」

オナニーしないって自分で言ったんだから、がまんしてみろ、と言ってるのだ。
ユーリも俺がすけべなことをわかってるから、意地悪を言って楽しんでる。
エロくてかわいかったユーリは大人になって、ちゃんと進化してたのだ。
俺と会ったから開花したのかもしれない。

『またね』と、必ずまた会う、また会える2人の呪文みたいな約束の言葉を交わした。
見えなくなるまで大きく手を振って、その日は家に帰った。

そうだ、俺は約束を守る男だ。
言ったことは必ず守る男だから、今日はオナニーしない。

…そんなわけなかった!大人のユーリの大人のにおい、キスの味、感触。
その生新しい記憶には、いくら出してもすぐに精子を製造できる力があった。

つまり何回もオナニーした。

ユーリからメールが来た。

≪今日は忘れられない日になったね!ありがとう!うれしかった≫

そのあとも、内容はなんてことないが、何回かメールを応酬した。
なかなか眠れなかった。

オナニーとメールの繰り返しで、いつの間にか俺は裸で寝てしまっていた。
無意識でも、最後にちゃんと≪おやすみ≫と送信してあった自分を褒めてやりたい。


20---------------

そしてその日が来た!
(※この日のことは特に記憶が鮮明なので、エロいのもなるべく詳しく書きたい)

お互いろくに金もないのに、ちょっと大人ぶったデートがしたかった。
ちょっといい服着て、ちょっといいレストランで食事して、ちょっといいホテルに泊まる。
そして、ホテルにちょっとかっこいいバーがあったので、ちょっと行ってみた。

俺はほとんど酒を飲まないんだが、ユーリはそこそこ飲んだ。
いや、そこそこじゃなかった。
普段飲まないなんて言ってたが、相当うれしくて調子に乗ってしまったらしい。
俺もうれしくてナチュラルハイになった。

このあと2人がすることより、そのときは思い出話に花が咲いた。

泥酔ではないが少しフラフラになってしまったユーリは、部屋に戻ると寝てしまった。
本格的に寝るつもりじゃないのはわかってるから、しばらく休ませることにした。

ふと、ユーリが持って来てた、大きめの手提げの紙袋が目に付いた。
持ってることは最初から気付いてはいたが、俺にプレゼントだろうか!
…っていうか中身丸見えだし。
酔ってないのに、平常心が欠けてたそのときの俺は、何気なく中を覗いてしまった。

…高校時代のユーリの制服だった!
たたんであるけどスカートの色柄ですぐわかった。
何だこれは。どういうことだ。

俺が見覚えあるってことは、ユーリが転校する前の学校の制服だ。
うつぶせで寝てるユーリの耳と頬と唇と制服を交互に見ながら、俺はぼんやりした。
これはどういうことだ。多分そういうことだ。
俺も自分のを用意しとくべきだったか?
…そして何も見なかったことにした。

このとき季節は夏で、ユーリはノースリーブシャツと、タイトなスカートって格好だった。
うつぶせで両手をまくらにしてるユーリ。
生足よりも、カミソリ負けのある脇の下をぼんやり覗いていたら、ユーリが起きた。

ユーリ「お風呂入る」

俺「いっしょに!」

ユーリ「ううん、私が先、ベンジーは後」

寝ぼけた顔で俺を制止すると、ユーリはバスルームに入った。
6年ぶりともなると、このドアの向こうでユーリが裸!と、思うだけでちんこが濡れる。
もうすでに100回近く、裸で抱き合った仲なのに。
そして俺は、紙袋の中のユーリのあれをぼんやり眺…いや、俺は何も見てないのだ。

バスローブ1枚で出てきたユーリ。
俺は興奮するより、眉毛に笑ってしまった。半分くらいになってる!
化粧をすっかり落として、でも肌はきれいだから、眉毛以外はあのころの面影どおり。
眉毛をじーっと見てたら、苦笑いのユーリにバスルームへと追いやられた。

シャワーでちんこのぬるぬるを洗い流して、念入りに体を洗った。
裸で出ていくべきかと思ったが、多分ユーリはあれを着て待ってる。
俺もきちんと服を着直すことにした。

ベッドではユーリが、仰向けに布団をかぶって、顔だけを出していた。
俺は立ったまま、正面でユーリの顔を見た。
眉毛だけ妙にしっかり描いてある!俺は笑いをこらえるのに必死だった。

ユーリが静かに言った。
「いくつか確認したいことがあります」

なぜ敬語なのかはわからないが、あえて真面目に聞きたいことがあるんだろう。
少し涙声のユーリは、何だか深刻な顔をしてた。

ユーリ「今日で100回目だけど!100回したらベンジーはっ!」

…ユーリはぶわっと泣きだしてしまった!
「私と別れるつもり!だったんだよねえ、そそそうなんだよねえ?」

俺「…そんなふうにも思ってたかな」

ユーリ「じゃあえっちしない!しないほうが、い!いい!」

俺「何だとう!」

布団を頭まですっぽりかぶると、ユーリの泣き方が号泣に変わった。
酔っ払ってて、感情が高ぶってるのもあったと思う。

ユーリ「いあやだー!えっちしたらベンジーがまたいなくなる!ひ!…うぐ、えぐ…おえ
それならえっちしないまま、ずっといっしょにいるほうがいっいい!」

昔からちょっと泣き虫だったが、ユーリのこんな取り乱し方は初めて見た。
別れるつもり、ってのが今も続いてるはずないのに。
直前になって、急に不安になったんだろうか。
あの話の本心というか、あるべき解釈を説明してあげた。

俺「別れるってのは、ユーリやぐっさんと出会う前に戻る、てことを言いたかったのだ」

ユーリ「いっしょじゃんかー、ああああ」

俺「ちがうのだ。これはリセット」

ただのリセットなんだから、また最初から始めればいいのだ。
俺とユーリの関係は、またこれから新しく始まるのだ。
そんなことを言ってあげたら、ユーリが顔の上半分を出した。

ユーリ「じゃあ、あと1回したら?」

俺「ゼロに戻るだけ」

ユーリ「また100回したら?」

俺「またリセットする。ずっと続く!」

布団から完全に顔を出したユーリが、涙目でにんまり笑った。
声を出さずに、よかった!と言ってるのが口の動きでわかった。
気持ちが高ぶって不安になっただけで、ユーリもほんとはちゃんとわかってる。

よし、じゃあやるか!というのも変だが、俺はベッドに歩み寄った。

ユーリ「まだ確認したいことがあります」

前置き長いな…今度は何だ!


21---------------

そう言えば、ユーリは「いくつか確認」と言ったのだ。

2つ目は何だろう。また深刻なことか。
さすがにめんどくさくなってきたし、もう俺、がまんできないんだが。

ユーリ「こないだのあれって…プププロポーズ…?」

何のことだかちょっと悩んだが、結婚を考えてしまったことは確かにばれちゃったな。

『おっさんをお父さんとは呼べねー』と言ったことだろうか。
あんなのをプロポーズだと思われてたまるか。
もっとロマンチックな、かっこいい言葉を、あらためて言うに決まってるのだ。
そのときには指輪も!

俺「あれはちがう、いつかちゃんと言うから待ってて」

ユーリ「でも昔、今度するときは中に出すって、ベンジー言ったよ」

確かに昔、別れ際にそんなこと言った。
でもなぜ話がそこにつながるのか。

ユーリ「せめて口約束でも、婚約まではしてくれないと、無責任だよ?」

当時その無責任なこと(中出し志願)を言ったのは誰だよ!と突っ込みたくなった。
それにあのとき俺は半分流れで言っただけで、今それにこだわってるわけじゃない。
実際この日、生ですることは考えてなかった。俺ゴム何枚も持ってる。

だがユーリは今まさに、俺の求婚を待っている!
そのためにわざわざ、昔の俺の言葉を持ち出したのだ。
これが3つ目の「確認したいこと」か。

どうする、どうする!
ちゃんと避妊するから今はプロポーズしません、なんて野暮すぎる。
もちろん俺は、結婚そのものに迷いはない(結婚までの事務的な行事は煩わしいが)。
この先、ユーリ以外の女なんて考えられないんだから、今この瞬間、結婚してもいい。

でも!かっこつけの俺は、プロポーズの言葉にこだわりたいのだ。
そうやって迷って無言になってたら、ユーリが布団から出てきた。

ユーリ「ジャーン、なんちゃって女子高生…」

ロングになった髪型と、眉毛だけしっかり描いた不自然なメイク。
それをのぞけば、ベッドから降りたユーリは、あのころのユーリそのものだった。

ユーリ「びっくりした?」

制服を持って来てるのは知ってしまっていたから、驚きはしなかった。
ただ、あのころの思い出がどんどんあふれて来てしまって、俺は泣いた。
夏なのにユーリは、しっかりブレザーまで着てた。
セックスばかりしてたあのころ、季節は秋と冬だったから、そこまで再現したのだ。
あ、ご丁寧にハイソックスも履いてる!これには驚いた。

俺「準備ってこれのことだったのか」

ユーリ「…あのときの続き!みたいにしたかった。…ごめん、おかしいかな」

おかしくない!いや、おかしくなくもないが、俺はただうれしかった。
ユーリが思い出を大事にしてくれていたことが、うれしくて、強く抱きしめた。
プロポーズの言葉をどうするか、それは今はどうでもよくなった。

泣いてる俺にちょっととまどいながら、ユーリが言った。

ユーリ「興奮しちゃった?ちんちん当たってる、大きくなってる…!」

俺「ごめん、もうがまんできないみたい」

ユーリ「中で出しちゃうかな」

俺「うん、出したいかも」

ユーリ「じゃあちゃんと言って!」

ちゃんと、ってどういうことかと思った。
こんな恥ずかしいことを、きちんと言葉にしろ、ってことか。
したことはないが、言葉責めってこんな感じかと思った。
ちょっと意地悪になったユーリは、そういうプレイに興味があるのかもしれない。
恥ずかしいのは苦手だが、まあいいだろう。

俺「ユーリのまんこに!中にいっぱい精子出させて…です」

何だこれは!声に出したら思いのほか恥ずかしい…!
中途半端に変な敬語になってるし。
高校時代に、恥ずかしいきざな台詞を言ったこともあるが、これが一番恥ずかしい!

そしたら。

ユーリはどぅふ!と吹き出したあと、俺の体から離れて、その場に正座した。
そしてほころぶ顔を抑えるように、真顔で俺を見上げた。

ユーリ「はい、わかりました、いっぱい出して下さい(笑)。この先も、何回も!
これからも末長く、どうぞよろしくお願いします」

…うわあああああー!!
深々と頭を下げたユーリを見て、俺はようやく理解した。
プロポーズの言葉をちゃんと言って!という意味だったのだ!

しまった、後悔したが、遅かった!

プロポーズの言葉は「中出しさせて」
ユーリの返事は「いっぱい出して」

誰にも言えない(ここでしか書けない)、求婚と承諾の現場となった瞬間だった。

バカにした感じではないがユーリは、しばらくけたけたと笑っていた。

…自分のあまりのかっこ悪さに茫然としてる俺。

そんな俺を尻目に、ユーリはスカートを脱ぎ始めた。
ああ、そうだ、どんなにかっこ悪くても、ちんこはやる気まんまんだ。まんこも。

何も言わないが、ユーリはあれをするつもりらしい。
あれと言うのは、当時一番好きだったあの体位のことだ。
あとで調べたが「笹舟本手SmallBoat」というスタイルらしい。
エロに目覚めた2人の原点、トイレでのおしっこ見せっこを思い出させる体位である。

上半身は制服を着たまま、これをするのが2人とも好きだった。
ああ、これも再現したくてユーリは、制服を持ってきたのか。こいつ…。

下半身すっぽんぽんのユーリが仰向けで、足を閉じたまま膝を曲げて抱える。
ハイソックスの両足が空中で、俺を待つようにすりすりと手(足)ぐすね引いている。

その様子を俺は、まだ動けずに茫然と見守っていた。
ただ、心臓はバクバクと高鳴って、ちんこも連動してどくどくと脈打った。

2人とも無言だった。
ユーリのまんこが見える正面に立つと、俺も下半身だけ裸になった。
さっき洗ったばかりのちんこが、またぬるぬるになってる。

まんこもすでに洪水状態なのが、見ただけでわかった。
もう、準備することも、確認することも何もない。
何かを言う必要もないし、ゴムも必要ない。

定位置に座った俺は、手で膝を支える役目を、ユーリと交代した。
ユーリは両手の指を組んで、その手のひらをアイマスクのように目の上に載せた。

半開きのユーリの口から、泣き声のようなつぶやきが聞こえた。

「あー、私、幸せだ…」

ずぶりずぶり。ありがとう。俺もだ。

ユーリの中はあったかかった。
ユーリはいつでも俺の気持ちを、そしてちんこも、あったかくしてくれる。

「あー、ベンジー…。入った…あは、昔より大きいかも、ん!ふふ、おかえり」

「ただいま」

一生大切にすると心に誓った。


22---------------

その夜した回数は6回。全部中に出した!
汗もいっぱいかいたし、お互いの汁とよだれにまみれた。
何だか体液のにおいがすごいことになったから、こまめにシャワー浴びながらした。
バスルームでもしてみた。

7回目も無理すればできたが、6年ぶりに6回だからキリがいいね、となって終了。

さてその1回目だが、俺は3分も持たなかった。
たまってたし、久しぶりのセックスだし、何よりユーリがかわいかった。
それにまんこがきつかった。
俺のが大きくなったからか、数年ぶりでユーリのがせまくなったのか。
それでも違和感なく挿入出来たのは、ユーリがときどきオナニーしてたおかげだ!

ユーリが足を閉じて膝を曲げた状態で挿入したんだが、俺はキスもしたかった。
膝を開いて、前かがみになろうとしたら、ユーリの毛が見えた。
割れ目とびらびらの周りがすっきりしてるのは気付いていたんだが。
実はこのときまで、ちゃんと見てなかった。
ブラウスの裾でちょっと隠れてたし、足も閉じてるからだ。

あのころジャングルだった毛は、ユーリの処理で、ちょびひげみたいになってた。
チャップリンみたいな四角っぽい感じ。海苔ではない、小さいちょびひげだ。

三大体毛(?)である頭髪、眉毛、陰毛。
頭髪はロングに、眉毛は半分に、陰毛はちょびひげに!
ほかはあのころのユーリのままなのに、毛だけが変化してるのだ。
俺はおかしくもあったが、それよりユーリの健気さが伝わってきて、うれしくなった。

その場では聞けなかったから、あとで聞いたが、俺の思ったとおりだった。
本格的に陰毛を処理したのは、今回が初めてだったのだ。
それもユーリが言っていた準備のひとつ。

あの日の続きを再現したくて、ユーリはあの日のユーリになろうとした。
でもそこだけは大人の女として、俺に見せてもいいようにきれいにしたかったのだ。
多分、形を整えようとして、どんどん毛の面積が小さくなってしまったんだろう。
足を不格好に開いて真剣な顔で、一生懸命剃っているユーリの姿が頭に浮かんだ。

そんな、ちょっと間抜けで健気なユーリが俺は大好きだ。
もう愛おしくてかわいくて、俺はそのちょびひげと、カミソリ負けの跡を撫でてあげた。

ついでに、と言うと変だが、クリトリスも撫でる。
するとこの日初めて、ユーリが大きなあえぎ声をもらした。

ユーリ「ふうわっ!ああっ」

ユーリが跳ねると同時に、俺のちんこが締め付けられる!
最初から限界に近かった俺は、まだろくにピストン運動してないのに、降参した。

俺「出るー」

ユーリ「えあ、も、もう?ちょっと待っ、うふあ」

びゅっぱー!どばー、もう寸止めなんかしたくなかった。
出てるあいだも、もちろん、がしがし腰を動かした。
最高に気持ちいい、そしてうれしい。
そしてユーリは。

ユーリ「はっはっ、これ、こんななんだ!中で出るとこんな感じ、なんだ、ああ、あっ!
わかる!ちんちん動いてるー、まだ出てるー、…、…、あ、またちょっとキタヨー」

何回も震えて、びゅるびゅる、ぴゅるぴゅる、とユーリのまんこの中で出続けた。

ユーリ「ふうう、ベンジー、は、早すぎるよ…」

ユーリは早漏にいちゃもんを付けてるわけではない。
中で受け止める心の準備ができず、構える隙がなかったことにとまどってるのだ。

ついに6年越しの、100回目のセックスが終わった。
もう数えることに意味はないが、リセットして次の1回目にすぐ突入したい。
区切ることなく、次の100回にすぐつなげたい。

ちんこを抜こうとすると、中出しの精液が少しもれてくるのが見えた。
相当な量が出たのがわかった。

中はすごいぬるぬるしてるだろうな。
そう思ったら、このまましてみたい!って気になった。抜かずの2発はしたことない。

でもさすがにすぐ動かすとこそばゆいので、挿入したまま、まずはユーリにキスした。
そして、おっぱいが見たかった!
気が利きすぎるユーリの演出のせいで、6年ぶりのおっぱいをまだ見ていない。

そのままの姿勢で、ブラウスのボタンを上から外してく。
ユーリも自分で下から外していった。
ブラジャーは、透けてたから感づいてたけど、黒だった。
さっき脱いでたパンツも確か黒だったから、予想どおりだ。
ふちにはピンクなのがアクセントでついてた。

派手な下着は好みじゃないが、かわいいねって言ってあげる。
ユーリが唇をぎゅっと結んで、ニヤケ顔をこらえてるのがわかった。
その顔こそがかわいい!

さてこの体勢でブラジャーを外すには、背中の下に手をもぐらせる必要があるのか。
またはユーリの体を起こすか。
挿入したまま動いたことはあまりないので、ちょっと手間取るかと思われた。
そしたら、ブラジャーは何とフロントホックってやつだった!初めてみた。
流れを全部予想してたかのようなユーリの選択!いや、でも。

高校時代を再現したくて、わざわざ制服を持ってきたユーリ。
でも下着は、多分買ったばかりであろう、大人の勝負下着を着けてきたかったユーリ。
なのにパンツは、自分からさっさと脱いでしまったユーリ。
結局勝負下着を見せずに、一回戦を終了したユーリ、いや終了させたのは俺か。

計算高いんだか、抜けてるんだかわからない。
そんなユーリを微笑ましく思いつつ、おっぱいの姿を確認したら、ちんこがふくれた。

ああ、おっぱい。ユーリのおっぱい!ちゃんとあった!よかった。
おっぱいはあの日のまま…いや、乳毛が(産毛だが)増えてる気がしたのは内緒だ。
乳首きれいだし。

おっぱいを揉みながら腰を動かした。
あー、おっぱいぱい、あー、おっぱいぱい、というリズムで(もちろん声には出さない)。

出し入れしながらクリトリスを触ってあげると、ユーリはイきやすい。
昔のままならそのはずだが、昔より敏感になってたと思う。
しかもまんこに残った中出し大量精子のせいだろうか、音がぐっぽちゅずっぽちゅ…。
おかしくも妖しい響きに、ユーリの顔は、目も口も半開きの恍惚とした表情になった。

ユーリ「あ、あー、ベンジー、何かイっちゃいそうなんだけど、なんだけど、うふう…!」

俺「いいよ!俺ももう少し…」

ユーリ「ちがう、これね、何か出そう!いあやああ、何か来るっ…」

昔、ぴゅる、ぴゅる、とユーリがまんこから控えめに噴き出すことは、よくあった。
でも今のはどうやらちがうらしい。
そう言えばユーリは、結構な量の酒を飲んでいる…。
これはもしや、本格的な放尿を予告しているのか。

俺「待ってて俺も、イきそうだから」

気分が乗ってきてたから、俺はこのままイきたかった。
腰の動きを速めて、2回目の中出しまでもう少し。

ユーリ「ああっ!はうっ、んんん、い…っ、…っ、出るーぅぅぅ」

そのとき俺のちんこが射精したんだが。
その余韻に浸る間もなく、結合部が急激に生温かくなったのを感じた。

ずぶりぐぽ、と、ちんこを抜くと、1回目のと今のを合わせた精子がでろでろ出てきた。

そしてユーリのも、じわじわーとあふれてきたかと思うと、次の瞬間。

ユーリ「わはー、もうだめ、出たー」

ぶしゃー、じょろろろ、とおしっこが出てきた。
ユーリはもう、脱力してしまって動けず、なるがままになっていた。

ユーリ「ううー、やってしまった…イったのか何なのかわかんない…でもすごかった…」

だらしなく足を開いて、まんこも開いて、胸も開いて、口をパクパクしてるユーリ。
トイレでおしっこを見せ合ったときのユーリを超える、印象的でエロチックな姿だった。
もうこのまま、3回目に突入できるんじゃないかと思えるほど、ちんこも熱くなった。

いや待て、ここラブホテルじゃねーし。
こんなベッドの使い方、まずいんじゃないのか。ラブホテルでもまずいか。
どうすんのこれ!
ユーリもあわてて我に返って、ベッドから飛び降りた。
掛け布団の上にいたんだが、その布団をとにかく床に避難させた。

髪を乱してぼんやりとつっ立っているユーリを抱きしめた。

ユーリ「やっちゃったー、やっちゃった…。怒られるかな…ひ!ひぐ!」

しゃっくりし始めたユーリに言った。

俺「大丈夫!大丈夫だから(根拠なし)。いっしょにお風呂はいろ」

ユーリ「うん。あのさ」

俺「何?」

ユーリ「私、あれ、イったのかな。すごい気持ちよかった。またもらしていい?」

俺「今日はもうだめ(笑)」

俺も射精のあと、おしっこしたくなることがある。
ユーリにとっても、イクことと尿意は隣り合わせにあるらしい。
この日は酒のせいもあって、初めてこうなったらしい。

さすがにこの日はもう、ここまで乱れさせることはなかった。
でも朝までに合わせて6回した。(俺の射精回数でカウント)

中出ししてしまうと、そのあとはユーリのまんこを舐めることができない。
ユーリのおしっこは平気でも、自分の精子のにおいは克服できなかった。
まんこ舐めるなら俺がイク前に!今後はそうすることを心に刻んだ。

朝ちょっと寝ただけだし、相当疲れてるはずなのに、気分良く目が覚めた。
思えば、ユーリといっしょに朝を迎えるのは初めてだ。

それまでで一番清々しい朝だった。

その後、ユーリは酒でエロくなることが判明した。
イクときに気持ちよくもらすコツも、ユーリは覚えてしまった。

俺が覚えたコツは、シーツを効率よく洗濯して干す方法だった。


23---------------

すぐにでもよかったが、いろいろあって、実際に結婚したのは1年半後。

婚約期間、セックスはほとんど中出しだったのに、子供は出来なかった。
子供が出来てたら、もちろんすぐ入籍はするつもりだった。
出来婚覚悟というか、きっかけとして望んでいるふしもあって、やりまくってたんだが。

不妊症を疑って、結婚したら医者に相談、なんてことも考えてた。

出来なかったから逆に、ずるずると延びてしまった一面もある。
「出来ちゃったら結婚」とも呼んでたが、結局出来る前に、体裁良く結婚。

指輪を贈ったとき、あらためてプロポーズした。
「プロポーズの言葉って何だったの」
今度は誰にそう聞かれても答えられるような、そんな言葉にしなければならない。
もうかっこつけるのはやめた。

ごく普通に「結婚しよう」と言った。

ユーリ「返事は…『いっぱい出して!』でいいの?(笑)」

俺「それ言うな!ハイでいいのだ」

ユーリ「…ハイ!」

その直後、結局いっぱい出すことになった。

結婚式については、特筆すべきことはない。
身内と、お世話になった人だけを集めて、おしゃれなレストランでこじんまりとやった。
ここまで書いた中で言うと、社長、部長、おっさん社長、別のおっさん、ソノコ。
あれ、書いた登場人物意外と少なかったな。

そして、ぐっさん!久しぶり!特筆すべきことあった。

ぐっさんは幼い子供2人を連れて、踊りながら来てくれた。
長男はトミーとの子供、下の娘は今の旦那さんとの子供だ!
ぐっさんって実は俺より(ユーリより?)モテるんじゃないのか。
野生のフェロモンの威力だろうか。
トミーとは出来婚のあと離婚しちゃったから、男運はどうなんだろう。
まあ俺の知る限り今のところ幸せそうだ。

ぐっさん「ベンジーとの子供も欲しかったのだ。なんてな。ウホ」

俺「あ、じゃあ今からでも。なんてな」

ユーリ「!!2人とも、そういうことは時と場所を選んで言いなさい!」

ぐっさん「時と場所を選べば言っていいのか(笑)ウホウホ」

ユーリ「私が死んだらってこと。ベンジー、ぐっさんとならいっしょになってもいいよ」

俺「うわーいやだ、死ぬな!」

ユーリ「あはは」

…まだ死んでない。よかった。
遠い将来、いつかいっしょに死にたい。


24(終)---------------

そろそろ終わりっぽくして終わる。

子供が出来ないという心配は、結果的にはする必要がなかった。
結婚後最初の何回かのセックスがどうも当たりだったらしい。
これも運命的だね、とユーリは言った。

そのとき出来た娘が、そこそこの年齢までおねしょをしてた。
おねしょって遺伝するんだろうか。
ある日おねしょが恥ずかしくて泣き出した娘に、ユーリがこう言った。

ユーリ「大丈夫、ママも子供のころおねしょしてたよ、ちゃんと治るからね」

むすめ「ほんと?だいじょうぶ?パパもなの?」

ユーリ「パパはね、しょっちゅううんこもらしてた」

むすめ「やだー、パパうんこ!うんこ!」(子供って何でうんこうんこ言いたがる)

俺「何だとう!ママだってなー、今でも時々ベッドでおしっこ、」

ユーリ「…!それはベンジーのせい!そういうこと言うのは時と場所を選んで!」

俺「いつならいい?どこでならいい?」

ユーリ「(小声)大体、最近はもらすくらいのこと、してくれないじゃんか…っ!」

俺「だからー、今度はいつ?どこで?」

ユーリ「もらしていいんだったら、いつでも!どこでも!」

俺「じゃあ今ここで」

むすめ「ママだめだよ、トイレいってよ。おとなはちゃんとトイレでおしっこできるでしょ」


娘のアドバイスどおり、ほんとにトイレでやった…かどうかは内緒だ。
書きたかったことは大体書けた!終わる。ありがとう。

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